About the Lab/研究室概要


517研究室とは

517研究室とは、東京大学医学部附属病院呼吸器内科の研究グループの一つであり、1998年の診療科再編成より以前の、内科物理療法学講座(通称・物療内科)を母体としています。1926年に開設された物療内科では、初代教授・眞鍋嘉一郎先生による米杉喘息の報告に始まり、室内塵からのアレルゲンの抽出、1966年に発見されたIgEの臨床的意義の実証など、喘息・アレルギーに関する先導的な研究を展開してきました。

517研究室は大田健先生と石井彰先生が呼吸器疾患の研究グループとして立ち上げられ、滝澤始先生により現在の形ができ、幸山正先生、山内康宏先生へと引き継がれてきました。呼吸器疾患の動物モデル(二相性喘息反応や過敏性肺炎など)、気道上皮細胞の呼吸器疾患病態における役割、マクロライドの抗炎症作用、大気汚染物質の気道炎症への影響など、時代を先取りした特色ある研究課題において成果を上げてきました。

平成の約30年における医療・医学の進歩は目覚しく、呼吸器疾患の診療においては、喘息や慢性閉塞性肺疾患に対する吸入療法や抗体医薬、肺癌に対する分子標的薬や免疫療法、肺線維症に対する抗維症化薬などが、臨床現場で活用されるようになりました。次世代シーケンサー、トランスオミクス、ゲノム編集、深層学習、ビックデータ解析など、医学研究の手法においても技術革新が進んでいます。

517研究室ではこのような時代の変化に対応する形で、臨床と研究の両面における諸先輩方の第一線でのご活躍がありました。その一方で、517研究室における自由闊達な雰囲気や多様性を尊重するスタイルは、年月を経ても変わることなく受け継がれております。伝統の中で培われた世代を超えた人のつながりは、かけがえのない財産であり、未来への道しるべになります。令和の時代を迎えましたが、517研究室はこれからも、将来の担い手である若手医師・研究者が様々な分野において飛躍していく基盤になると考えております。


517研究室 齋藤 朗