会長挨拶

第25回 日本小児救急医学会 会長
岩中 督(東京大学小児外科)

岩中 督(東京大学小児外科)この度、第25回日本小児救急医学会を平成23年6月10日から2日間にわたり、東京ドームホテルにて開催させていただくことになりました。四半世紀の節目となる学術集会であり、年々規模が大きくなる本学術集会を主催させていただくことは、大変光栄なことと厚く御礼申し上げます。

皆様ご存じのように、小児救急医療が抱えている課題は山積しています。小児救急医療体制の整備、小児救急医の過剰労働、診療報酬上の様々な課題、法改正によって今後増加が見込まれる小児臓器移植など、行政や立法府のみならず、医療者、市民に対しても、いろいろな立場から発信をしていかねばなりません。本医学会は今までもその役割を果たして来ましたが、今後はさらに小児救急医療の中核を占める存在となって、さらなる声を上げていく必要があります。一方で、臨床現場で活躍中の医療者が集い、限られた日程の中で熱い討論を行うためには、学術集会のテーマをある程度絞る必要があります。今回は、主題を『こどもたちに明るい未来を−学んで実践、小児救急−』とさせていただき、社会的なセッションを少し限定させていただき、若い本医学会会員やこれから小児救急医療に携わろうと考えている方々をターゲットに、参加型の学術集会になるよう、医療・医学を中心とした、また教育的要素を前面に出した企画にさせていただきました。

本学術集会では、小児救急医療の現場の一瞬の判断に役立つQ&A方式のセッションを、医師向け・コメディカル向けにそれぞれ企画いたしました。また、これから増加するであろう小児臓器移植に備え、『脳死判定セミナー』を脳死問題検討特別委員会主催で行います。また学術集会2日目より2日間かけてPALS講習会も合わせて行うことといたしました。これらのセミナーの一部は事前登録制になりますので、興味のある方は本ホームページより早めに登録をお願いいたします。私は小児外科医でありますので、例年よりやや外科医療指向が目立つかもしれませんが、シンポジウム、教育講演も主題にふさわしい、明日からでもすぐに役立つ内容のご発表を各演者にお願いしています。

本医学会は、小児科医、小児外科医、救急医、集中治療医、小児救急看護認定看護師などの看護師、救急救命士など、多領域にわたる横断的な学会です。本学術集会では、職種の垣根を越えたカジュアルで活発な討論を期待しています。

梅雨前線が近づく季節ではありますが、初夏の東京にご参集下さい。

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