ご挨拶
京都臨床細胞学会(旧:日本臨床細胞学会京都府支部)は、約半年間の準備期間の後、1984年2月25日に発足し,すでに30年を超える歴史があります。安田迪之初代支部長が3期9年、小畑義2代目支部長が2期6年、土橋康成3代目支部長が4期12年務められた跡を受け、2011年度〜2012年度を中泉明彦4代目支部長,2013度を三上芳喜5代目支部長が勤められた後,2014年度より羽賀博典が6代目を拝命いたしました。
当学会は学術委員会,教育委員会,精度管理委員会による委員会活動を基軸として,活発な学術・教育・診療関連の活動を行ってきました。また庶務・会計を担当する幹事,さらにそれを下支えする事務局長の働きが大いにこの学会を盛り上げることに貢献し,2014年末現在、269名(専門医会員55名,検査士会員207名,医師会員7名)の陣容となっております。
現在,細胞診は単に組織推定,検診やスクリーニングとしての地位にとどまらず,腫瘍遺伝子検査といった分子標的治療の要としても重要な位置を占めるようになっています。また採取手技の進歩により,膵臓や縦隔リンパ節といったこれまで細胞診が補助的な役割にとどまっていた臓器について,診断上決定的な役割を担うようになってきています。Liquid biopsy (液体細胞診)や,cfDNA検査(セルフリーDNA検査)といった新たな技術の足音が聞こえてくる昨今にあっても,細胞形態に基づく診断は,腫瘍・非腫瘍を問わず,様々な疾患に対応でき,また画像診断学の基盤であり,診断学の基本の一つで有り続けると考える次第です。
当学会は,京都府,さらには近隣地区での細胞診のさらなるレベル向上,学術的発展を目指しています。学会活動の更なる発展のため、皆様方の益々のご活躍を祈念いたしますと共に、ご支援、ご指導、ご鞭撻を何卒宜しくお願いいたします。
京都臨床細胞学会会長 羽賀 博典