呼吸循環不全の治療に携わる皆様へ
体外式膜型肺 (ECMO) を用いた呼吸循環管理には長い歴史があり、特に 1989 年に結成された ELSO(extracorporeal life support organization)がその中心的な位置を占めています。ELSOの非常にユニークな点は、参加単位が医師個人ではなく施設、つまりECMOセンターである点といえます。症例登録が義務づけられておりますが、そうして登録された膨大な症例情報をもとに治療法の比較や標準化、あるいは新たな治療法の開発が行われています。
発足以来、国境をもたないELSOですが、環太平洋諸国を対象としたELSOの地方会の創設が、2012年の7月、メルボルンで開催されていた体外循環学会時に検討されました。わが国からはECMOプロジェクトの竹田、市場、清水、そして落合が会議に参加し、満場一致で地方会の創設が認められました。そして、第1回の Asia-Pacific ELSO (APELSO) 学術集会が2013 年10月に北京で開催され、多くの参加者を得て成功裏に終了しました。
そして、今回、第2回APELSOを我が 国に誘致することで、呼吸循環不全の治療に携わる私たちにとって最先端の知見を議論するチャンスが得られたことは、非常に有意義なことではないでしょうか。
日本を代表する歴史的都市-京都で開催いたします。私たちの健康を祈念する祇園祭と時を同じくしますが、ぜひ学術集会とともに京都の夏を楽しんでいただけましたら幸いに存じます。
APELSO2015会長 落合 亮一