1. 概要
RTD開催日時 | 10月18日、19日 12:00~13:30 |
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場所 | 名古屋国際会議場セミナー会場にて |
2. RTD企画趣旨
ラウンド・テーブル・ディスカッション(以下RTD)は1998年以来、毎回にわたって、研究・教育・臨床に携わる大学関係者や開業医、医療関係者などが「矯正臨床」に関わる様々なテーマについて、講演や展示発表とは違った相互コミュニケーションがなされてきたプログラムです。モデレーターの取り上げたテーマについて参加者が自由に楽しく語り合える意見交換の場であり、会員相互の出会いの広場でもあります。参加した会員同士が十分に活発な討議をして、一つでも多くの稔りを持ち帰れることを期待して開催されています。
3. 申込について
参加はすべて事前登録となります。 尚、空席が発生した場合のみ「当日」掲示板にてご案内致します。
参加費
3,000 円(昼食代を含む)
※キャンセルの受付はできかねます。ご都合の悪い場合は代理出席者をご手配下さい。
代理出席者を確保できない場合でも参加費の返金はできかねますのでご了承下さい。
申込方法
こちらからダウンロードいただき、メール又はFAXにてお申込みください。
メール kyosei@jecs.org
FAX 052-541-2520
※テーブル 1、2、3、4、5、6、8、9、10、11、12、13、14、15、16は満席となりました。
申込期限
2011年8月19日(金) 引き続き申込みを受付けております。
4. 各テーブルのご案内
10月18日(火)12:00 ~ 13:30 | |
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01.「ストレートワイヤーエッジワイズ法の基礎教育」 | 古賀 正忠 (古賀矯正歯科クリニック) |
02.「混合歯列期治療の目標とその有効性を考えてみよう (長期管理症例からの考察)」 |
黒田 康子 (くろだ歯科・矯正歯科) |
03.「高齢社会で重要性を増す矯正治療とは?」 | 長澤 信五 (医療法人社団 長澤歯科医院) |
04.「今、問われている早期(一期)治療の意義について」 | 小坂 肇 (小坂矯正歯科) |
05.「好ましい側貌を考える治療計画と術前矯正治療」 | 山口 芳功 (草津総合病院 歯科口腔外科) |
06.「治療方針変更や治療期間延長のマネージメント」 | 富永 雪穂 (アルファ矯正歯科クリニック) |
07.「口腔顔面痛の診断と矯正治療」 | 野田 隆夫 (野田矯正歯科クリニック) |
08.「低位舌について考える」 | 里見 優 (さとみ矯正歯科クリニック ) |
10月19日(水)12:00 ~ 13:30 | |
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09.「フローチャートに基づいた機能的顎矯正治療」 | 嶋 浩人 (しま矯正歯科) |
10.「認定医臨床研修修了程度検定審査を受けて」 | 三好 健次 (三好歯科矯正歯科医院) |
11.「包括的歯科治療から考えるスマイルデザイン」 | 椿 丈二 (ティースアート矯正歯科) |
12.「矯正治療中のカリエス・ペリオ・オーラルケア マネージメント」 | 坂本 紗有見 (銀座並木通り坂本矯正歯科クリニック) |
13.「シリコン材を用いた簡便なインダイレクト法の考案」 | 早川 進一 (はやかわ矯正歯科) |
14.「自然成長誘導法を応用した矯正治療」 | 北總 征男 (北總矯正歯科医院) |
15.「ブラケット装着における位置精度の向上」 | 小森 成 (日本歯科大学附属病院 矯正歯科) |
16.「口蓋形成手術後の唇顎口蓋裂患者の矯正診断時期と骨移植について -手術時期と矯正医の役割-」 |
佐藤 友紀 (昭和大学歯学部歯科矯正学教室) |
1. 「ストレートワイヤーエッジワイズ法の基礎教育」
古賀 正忠 (古賀矯正歯科クリニック)
1974年 | 東京歯科大学大学院歯学研究科 歯科矯正学 歯学博士 |
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1999年 | 米国Edward H. Angle 矯正歯科学会正会員 |
2003年 | 古賀矯正歯科クリニック 開設 |
Andrewsは正常咬合を分析して「正常咬合のための6つの鍵」を発表した。演者は正常咬合模型を矯正歯科研修医に与え、これをAndrewsの6つの鍵に沿って解説と実習を行う事によって、STDエッジワイズのみならづストレートワイヤーエッジワイズ法の基礎教育に効果的であるという体験をしたので、この方法について話し合ってみたい。
2. 「混合歯列期治療の目標とその有効性を考えてみよう (長期管理症例からの考察)」
黒田 康子 (くろだ歯科・矯正歯科)
1967年 | 大阪大学歯学部卒業、歯科矯正学教室にて研修 |
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1972年~1981年 | 大阪大学助手 |
1981年4月~1986年3月 | 双葉会滝本矯正歯科診療所勤務 |
1986年~ | くろだ歯科矯正歯科 日本矯正歯科学会認定医、指導医、認定専門医 |
外科矯正術式の普及と技術の向上、さらには implant anchorage systemの進化発展は、成長を伴わない患者の矯正治療結果の飛躍的な向上を遂げ、永久歯列完成前の治療は軽んじられる傾向が出て来た。しかし、矯正治療を経験した世代が親となり、子どもの前歯交換時に矯正歯科医を訪れる機会が今後増加することが予想され、患者にとっても術者にとっても望ましく、より有効な第一段階治療のあり方について意見交換したい。
3. 「高齢社会で重要性を増す矯正治療とは?」
長澤 信五 (医療法人社団 長澤歯科医院)
1958年 | 大阪大学歯学部歯学科卒業 |
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1985年~1998年 | 朝日大学歯学部非常勤講師 |
1954年~現在 | 日本矯正歯科学会会員 |
高齢社会の現状は、60代で半数以上の人が入れ歯を必要とし、8020達成者は僅か2割位である。豊かな老後の生活を支える為には、矯正治療を活用して齲蝕や歯周治療の効果を高める必要がある。開咬、鋏状咬合、著しい叢生や骨格性不正咬合は、固定性補綴では治療できないから歯を失う大きな原因である。「歯の長持ち」のために近未来のあるべき矯正治療の姿を考えてみたい。
4. 「今、問われている早期(一期)治療の意義について」
小坂 肇 (小坂矯正歯科)
1973年 | 東京歯科大学大学院(矯正学専攻) |
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1979年 | 小坂矯正歯科(東京•東五反田)にて開業 |
近年、早期治療の意義に疑問を唱える意見が散見されます。多くの矯正臨床家は日常様々な形で早期(一期)治療に関わっており、そのような意見を看過する訳にはいきません。では、なぜそんな意見がでてきたのでしょう。その背景を認識し、どんな場合に問題があるのか、その論拠と共に検討したいと思います。同時に早期(一期)治療全体をも見直し、より効率的で意義のある早期治療の姿を求めてディスカッションを深められればと思います。
5. 「好ましい側貌を考える治療計画と術前矯正治療」
山口 芳功 (草津総合病院 歯科口腔外科)
1979年03月 | 大阪歯科大学卒業 |
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1991年11月 | 滋賀医科大学歯科口腔外科学講座 助教授 |
2006年04月 | 津総合病院 歯科口腔外科 部長 |
外科的矯正治療を始めるにあたり立てられる治療計画、術前矯正治療の計画(術前矯正治療の治療ゴール)は、外科的矯正治療の質にかかわる重要な作業であると思われる。ここではW.H.Bellらが提唱し、これまで私たちが実践してきている好ましい側貌を考慮した治療計画と術前矯正治療での治療目標について解説し、その後、議論を交し合うことにより、より理解を深めて頂き、参加者各々の臨床に貢献させて頂くことを目的としたい。
6. 「治療方針変更や治療期間延長のマネージメント」
富永 雪穂 (アルファ矯正歯科クリニック)
1983年 | 日本大学歯学部卒業 |
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1987年 | 日本大学大学院卒業 |
1990年 | アルファ矯正歯科クリニック開業 |
適切に立案した治療方針であっても、治療経過において予想外の生物学的反応や、患者さんを取り巻く環境の変化などにより、治療方針の変更や予想治療期間の延長を余儀なくされることがある。その際に患者さんとの信頼関係を維持し、治療へのモチベーションを低下させることなく、これらを受け入れて頂くことは、矯正歯科医に必要な技術の一つだと考えられる。これまでの皆さんの経験をもとにディスカッションしてみたい。
7. 「口腔顔面痛の診断と矯正治療」
野田 隆夫 (野田矯正歯科クリニック)
1986年 | 東京医科歯科大学歯学部卒業 |
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1990年 | 東京医科歯科大学歯学部歯科矯正学第一講座助手 |
2006年 | 日本頭痛学会・日本口腔顔面痛学会 会員 |
冷水痛や咬合違和感が、矯正治療により消失する症例を経験した。これらの症状は、咬合性外傷の反復刺激により痛みの悪循環が発生し、末梢性痛覚過敏、中枢性痛覚過敏、そして連関痛を生じた可能性が考えられる。このメカニズムを考慮すると、咬合性外傷により、頭痛や肩こりが発生する可能性は否めない。今回これらの症状が、咬合性外傷由来と診断された症例の矯正治療を行った。診断と矯正治療について、ディスカッションを行いたい。
8. 「低位舌について考える」
里見 優 (さとみ矯正歯科クリニック )
1988年 | 鶴見大学大学院歯学研究科(歯科矯正学)修了 |
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1990年 | さとみ矯正歯科クリニック開設 |
2008年 | 鶴見大学歯学部 非常勤講師 |
不正咬合の機能的な改善と安定を試みるとき、舌位および舌運動の改善は必要条件ではないだろうかと考え、舌位挙上を治療早期に図ることを目的に固定式舌挙上矯正装置を考案するとともに、それを組みいれた治療システムを構築した。舌位挙上を図る矯正装置としてmuh,weigh plate,低位舌用lingual arch,bihelix, tongue training plateなどが用いられる。今回は、これらの装置とMFTを併用して治療した症例を提示しながら低位舌について参加者と共に考えてみたい。
9. 「フローチャートに基づいた機能的顎矯正治療」
嶋 浩人 (しま矯正歯科)
1994年 | 新潟大学歯学部卒、金沢医科大学矯正歯科学教室入局 |
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2004年 | しま矯正歯科(金沢市)開設 現在に至る |
いつ、どんな装置を選択して使用し、何をするかをフローチャートにすることで治療計画の立案を明確にすることができる。今回、このチャートを用いながら、BJA,Biobloc,TwinBlock等の機能的顎矯正装置の選択法について検討し、皆様とともに議論し、考えてみたい。
10. 「認定医臨床研修修了程度検定審査を受けて」
三好 健次 (三好歯科矯正歯科医院)
1978年 | 愛知学院大学歯学部卒業 |
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1981年 | 三好歯科医院開業 |
2011年 | 学位取得 愛知学院大学 |
日本矯正歯科学会の認定医申請に際し、矯正学講座に在籍したことが必須条件でした。しかし、平成21年から必要条件を満足すれば臨床研修修了程度検定審査による申請が可能になりました(平成25年までの時限)。大学に在籍しての認定医取得基準よりはるかに高いハードルを超えることが条件とされました。今回、第1回目に受験して無事に合格することが出来たので、この制度で認定医取得を目指す先生方の参考になればと企画しました。
11. 「包括的歯科治療から考えるスマイルデザイン」
椿 丈二 (ティースアート矯正歯科)
1991年 | 日本歯科大学歯学部 卒業 |
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2000年 | European Society of Lingual Orthodontics Active member |
2000年 | ティースアート矯正歯科 開業 |
近年、矯正治療を希望する患者は、審美的要求の高い場合が多く、その要望に応えるように、様々な審美性を考慮した包括的歯科治療を矯正治療に取り入れていくことが必要となっている。また、個々の歯に異常のある歯列においては、診断や治療方針にも制限が生じてくることも多い。今回は歯列の安定性と審美性を客観的評価により検討を加えながら、治療後のスマイルデザインについてディスカッションを行いたいと思う。
12. 「矯正治療中のカリエス・ペリオ・オーラルケア マネージメント」
坂本 紗有見 (銀座並木通り坂本矯正歯科クリニック)
1986年 | 東京歯科大学卒業 |
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1986年~1993年 | 東京歯科大学歯科矯正学講座 |
1993年 | 日本矯正歯科学会認定医 取得 |
2005年 | 銀座並木通り坂本矯正歯科クリニック 院長 |
矯正歯科治療におけるプラークコントロールは非常に重要である。当院では患者自身の口腔ケアに対するモチベーションを高め、維持していくことが重要と考え、カリエス・ペリオのリスク検査を導入し、検査結果をもとに患者毎に個別化したオフィス・ホームケアプログラムを作成実施している。今回、私どもで実施して成果が上がっている、患者、主治医、衛生士による三位一体の口腔ケアプログラムを紹介したいと思う。
13. 「シリコン材を用いた簡便なインダイレクト法の考案」
早川 進一 (はやかわ矯正歯科)
1985年4月 | 愛知学院大学歯学部歯科矯正学講座入局 |
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1991年4月 | はやかわ矯正歯科開院 |
2008年4月 | 愛知学院大学歯学部歯科矯正学講座非常勤講師 |
術後予測のバーチャルセットアップ模型上に描かれた BPH-line より得られる情報は、症例毎にカスタマイズされた bracketing を可能とする。情報に基づいた正確な positioning を施すにはインダイレクトボンディングシステムを適用することが有効であるが、煩雑な技工操作を伴う。そこで今回、より簡便でボンディングエラーの少ないインダイレクトボンディングシステムを考案し日常臨床に応用しているので紹介させていただく。
14. 「自然成長誘導法を応用した矯正治療」
北總 征男 (北總矯正歯科医院)
1968年 | 東京歯科大学卒業、1972年東京歯科大学大学院歯学研究科修了 |
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1972年 | 千葉県旭市にて開業 |
1972-2002年 | 東京歯科大学非常勤講師。日本矯正歯科学会認定医・指導医。専門医 |
自然成長誘導法を応用した矯正治療は、歯間への舌癖や口呼吸などのOral Posture改善のための訓練を行いながら、Bioblob装置により上下顎のサイズ、形態の改善、上下顎の位置関係の改善を行う。その目的は、水平的改善を促進させることで、最初に上顎を前方、側方に拡大し、次の段階でその上顎に下顎を咬合させ、上下顎の位置をより水平的に前方位をとらせることである。このことについて話し合ってみたい。
15. 「ブラケット装着における位置精度の向上」
小森 成 (日本歯科大学附属病院 矯正歯科)
1988年 | 長崎大学歯学部卒業 |
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1992年 | 長崎大学大学院歯学研究科修了 |
2009年 | 日本歯科大学附属病院矯正歯科 准教授 |
矯正歯科治療では適正なブラケットポジションが求められるが、ベースの適合性や臨床における視認性より、常にブラケットを適正な位置に装着するのは困難である。そこでブラケット装着の指標を検討すると同時に、ブラケットのプレスクリプションやベース形状を評価してブラケット装着に伴う問題点を考察する。そしてブラケットの位置精度を向上させる手法として、ベース形状を患者の歯面形状に最適化する方法について提案する。
16. 「口蓋形成手術後の唇顎口蓋裂患者の矯正診断時期と骨移植について -手術時期と矯正医の役割-」
佐藤 友紀 (昭和大学歯学部歯科矯正学教室)
2001年 | 昭和大学歯学部歯科矯正学教室 大学院卒業 |
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2002年 | ニューヨーク大学形成外科内矯正科 フェローシップ修了 |
2003年 | トロント大学小児病院クラニオフェイシャルチーム フェローシップ修了 |
2007年 | 昭和大学歯科病院矯正科 助教 現在に至る |
近年術前顎矯正治療の普及により従来の矯正患者の枠を超えた乳児期からの患者との接触が増えており、それに伴い矯正医に求められる役割も間接的立場から口蓋裂治療全体を左右するより積極的な立場へと変化してきている。今回は各チームごとの治療方針や骨移植時期を踏まえ、矯正診断時期をふくめた幼児期から学童期における口唇口蓋裂患児に対し、矯正医がいつどのように関わりをもって行くべきかを皆さんと一緒に考えていきたい。