第41回日本消化器病学会近畿セミナー ご挨拶
この度、Web形式での「第41回日本消化器病学会近畿セミナー」の開催にあたり一言ご挨拶申し上げます。
2019年末に端を発したとされる新型コロナウイルス感染症は、2020年3月のWHOによるパンデミック宣言を経て2年近くに及ぶ現在も世界中で大きな混乱をもたらしています。我が国においても、医療従事者のみならず全国民の懸命な努力にもかかわらず感染拡大の一途をたどり、第5波では全国的な医療の逼迫を招きました。本学会員の皆様におかれましても、厳しい状況の中大変なご苦労をなされたことと思います。
しかし、当初は混乱の中あらゆる事が手探りであった状況から私たちは多くの事を学び、次第に“with コロナ”という状況が常態化し、そして今、“after コロナ”、“beyond コロナ”が模索される状況になってきました。医療の現場でも、受療行動や医療供給体制の変化、検診・健診体制の見直し、デジタル化・オンライン化・AI導入等の加速など、多くの変革が急速に進んでいく可能性が有ります。
このような中、消化器内視鏡診療に従事する私たちも、この大きな社会の変化に対応していく必要に迫られています。そのためには、これまで先達の諸先生方が築き上げて来られた内視鏡診療の基本スキルをしっかりと学び、その中に込められた理念、信念、情熱を引き継ぎ、新たな内視鏡診療学を切り開いていく事が求められていると思います。
そこで、本セミナーでは「消化器内視鏡における”New Normal”-基本から最先端まで-」をテーマに、各領域の第一線でご活躍中のスペシャリストの先生方から内視鏡診療において現時点で押さえておくべき基本と目指すべき到達点を示していただき、そこに込められた諸先生方の真髄を新しい時代へ向けてのメッセージとしてご講義いただける様お願いしております。本セミナーが、ご参加いただいた先生方の日々の診療のより一層の充実と、新たな内視鏡診療学発展へのチャレンジのお役に立てることを心から願っております。
最後になりましたが、本セミナーの準備期間が第5波と重なり逼迫した状況であったにもかかわらず、多大なご助言、ご援助を賜りました内藤裕二支部長をはじめとする諸先生方、厳しい社会情勢の中ご共催・ご協賛いただきました各企業様、その他関係各位に心より感謝申し上げます。
- 第41回日本消化器病学会近畿セミナー
- 大津赤十字病院 副院長 河南 智晴