多細胞構築研究室
細胞A
生体内には多種多様な細胞が存在しています。その特異的な性質は転写因子によって制御されています。しかし、同じ転写因子が多くの細胞運命を制御していることもよくあります。
細胞運命制御
線虫のほとんどの細胞は非対称分裂の結果生まれます。つまり、それを制御するWnt/βカテニン非対称経路の下流で働く転写因子(POP-1/TCF)はほとんどの細胞運命決定に関与すると考えられます。たった一種類の転写因子はどのように多種多様な細胞運命を制御できるのでしょうか。
尻尾にあるT細胞の場合には、位置情報を制御するHoxタンパクNOB-1がPOP-1と協調してPSA-3という遺伝子の転写を制御することで、特異的な細胞運命が決定されます。このように他の転写因子との組み合わせがPOP-1の特異性に重要です。
また、私たちは様々な細胞運命の維持に、アセチル化ヒストンに結合するBET-1が必要であることを発見しました。このことは、細胞運命の決定にエピジェネティックな制御が重要であることを示唆しています。
NEW! 細胞運命のエピジェネティックな制御機構を解明するために、特定の遺伝子のクロマチン状態を生体内で可視化する方法の開発を始めています。
POP-1
NOB-1
psa-3 gene
POP-1
POP-1
POP-1
細胞A
細胞B
モデル:クロマチン構造の違いによってPOP-1の結合が決まる
転写ON
転写OFF
転写ON
細胞B
転写OFF
POP-1
NOB-1
psa-3 gene
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