恐怖が支配する霞ヶ関
−ハンセン病の悪夢再び−
その出会いをきっかけに、坂口は「控訴断念すべし」という思いを固めた。5月16日の朝日新聞にこんな記事が掲載された。《厚労相、控訴断念の意見 首相に週内進言へ》 だが省内は坂口にとって逆風だった。坂口が法務大臣や官房長官とこの問題を話し合おうとすると、必ず役人が先回りして彼らにレクチャーしていた。「僕が行くことがどこかから情報が漏れてるんですよ。霞ヶ関はすごい組織です。あのときほど役人が怖いと思ったことはない」(「控訴断念」を選んだ政治家たちの決意  ハンセン病違憲国家賠償裁判(中) 日経ビジネス 2017.5.9

感染症利権とは何か?:ハンセン病利権化の文脈で読み取る

医系技官達がこだわる新コロ利権とは、もちろん企業との結びつきではありませんし、決して賄賂の類いでもありません。全て合法的でその内容も公開されています。この点については既に説明しました(感染症村の新コロ利権と5類潰し全てはワクチン利権のために−「合法的な」接種後死亡・副作用隠しの実態−)

12省庁中予算規模トップ
大臣をして「あのときほど役人が怖いと思ったことはない」と言わせしめた厚生労働省の怖さを端的に表す数字が、この円グラフに示されています(参議院議員 有村治子氏作成)。11の省と内閣府の12省庁の中で2位の財務省26%、25兆円を凌ぐ32%、31兆円。3位の総務省の2倍もの予算を握るのがトップの厚労省です。その厚労省にとって、新型コロナウイルス感染症は正にその存在意義を誇示する「晴れ舞台」となるはずでした。ところがその目論見は当初から外れてしまいました。あのイカサマのおかげで。

治療薬に対する医系技官達の冷ややかな視線
新型コロナが誰にとっての「千載一遇の好機」となるか?何を使って手柄を立てるのか?その手柄を自分のものだと認めさせるためにどんな策略を立てるのか?人類を救うのは誰か?有象無象が「我こそは」の先陣争いに殺到しました。それが2020年初頭から始まった地球規模のどんちゃん騒ぎの本質でした。

 これも今は過去形になりましたが、日本を、そして世界救う秘密兵器。それがアビガンの謳い文句でした。そこで根拠なき熱狂(Irrational Exuberance)に当時の内閣総理大臣、ノーベル医学生理学賞受賞者とともに踊り狂ったのが当時の日本医師会長でした。一方、新型コロナで行政を主導する医系技官達(エリート官僚の嘘と本音)は彼らが繰り広げる裸踊りを冷ややかな目で眺めていました(王様は誰だったのか?)。

 それはもちろんアビガンがとんでもないイカサマだということを彼らが知っていたからなのですが、もう一つ、「新型コロナ」との戦いでは治療薬が決め手と考えるお医者様達に対する侮蔑の念がありました。治療薬では感染症を根絶できない。感染症に打ち勝つ最終兵器はワクチン以外にはあり得ない。そんなことも理解できずにアビガンのようなイカサマを有り難がるなんて、なんと馬鹿な連中だろうか。そんな思いが彼らの冷ややかな視線の背後にありました。

治療薬軽視・ワクチン偏重の姿勢
医系技官達の治療薬軽視の姿勢は新型コロナで初めて見られたわけではありません。ダプソン内服療法の導入で、1950年代にはハンセン病が外来通院で治療できる病気になり、さらに1960年代に入りダプソン療法中の患者は感染源にならないことが明らかになったことで(Waters, M.R.F., et al., Changes inthe morphology of Mycobacterium lep ae in patients under treatment.:Internat. J. Leprosy 30:266-277, 1962)、隔離は感染予防上も無意味になり、世界のハンセン病予防対策は根底から変更されたにもかかわらず、日本らい学会と旧厚生省の徹底抗戦は続き、ようやくらい予防法廃止法が成立したのが1996年でした(第十 ハンセン病医学・医療の歴史と実態 ハンセン病問題に関する検証会議 最終報告書)。この治療薬軽視の姿勢は今も脈々と受け継がれ、現在のワクチンをおもちゃにした医系技官の暴走に繋がっています(それはアビガンから始まった:医系技官暴走の起源がここに)。治療薬は弥縫策に過ぎない。ワクチンこそが人類滅亡の危機を救う唯一の武器である。それが彼らからの一貫したメッセージです。(続く)

霞ヶ関崩壊
新コロバブルの物語
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