第二のサリドマイド「アビガン」
承認されたってへいちゃらさ.だってアビガンを勧めるような破廉恥なお医者様はお断りすればいいんだから
自分の命は自分で守ろう!!
私の記事のあくの強さに慣れていない人は,まずは,忽那賢志先生の「アビガン 科学的根拠に基づいた議論を」を読むことをお勧めします.
1.緒言:薬害と裁判
2.この記事の要点
3.「既承認薬だから安全・安心」という嘘:催奇形性の問題だけクリアすればいいわけではない
4.第二のサリドマイドという意味:国外での催奇形性事故の責任を誰が取るのか?
5.過度な期待と毒性の否認が国内でも事件・事故を誘発する
6.雨ごいの効果と同じ「アビガン効果」
7.アビガンはプラセボ対照ランダム化試験に悉く失敗してきた
8.CBRN対抗医薬品開発の難しさ
9.メディアが仕掛ける「アビガン事件」
10.医者は全く当てにならない
11.今ここにあるアビガンの未来
12.イレッサ事件再び
参考記事→アビガン事件の構図
キーワード: アビガン,イレッサ,エボラウイルス感染症,裁判真理教,サリドマイド,ヘルシンキ宣言,法的リテラシー,薬害裁判,
1.緒言:薬害と裁判
自称医学ジャーナリストのでっち上げに過ぎなかったディオバン「事件」には事件性はなかった.ちょうど仙台筋弛緩剤「事件」が警察と科捜研と検察と裁判所がぐるになったでっち上げに過ぎなかったように.裏を返せば,以下に示すアビガンの不都合な真実とアビガンが持つ事件性が、マスメディアの「報道しない自由」によってこのまま隠蔽され,介入研究(人体実験)が観察研究と偽装され続ければ,それはそのままディオバン事件など吹っ飛んでしまうような,大薬害スキャンダルに発展することになる.このページを読む方は,併せて,『サリドマイド問題における報道の検証ー医薬品副作用被害の「原点」の本質ー』,『法的リテラシー』,『薬害ビジネス:血友病HIV/AIDSを日本に輸出したFDA』を読むことをお勧めする.なお,このページは、ディオバン「事件」や北陵クリニック事件同様、全て誰もが知りうる公開情報に基づいて書かれており、私だけが知っている秘密など一つもないことを始めにお断りしておく.(2020/4/18)
2.この記事の要点:ここだけでも読んでください
● サリドマイド同様の催奇形性:アビガン(一般名ファビピラビルfavipiravir)にはサリドマイド同様の催奇形性が認められ,これもサリドマイド同様,男性側の避妊まで要求される程の厳重な管理が必要となっている。そのため,処方に際してはサリドマイド同様の厳重な管理が必要であり,添付文書・審査報告書にもその旨が記載されている。
●海外ではアビガンは野放しになっている:アビガンは日本でしか承認されていない。そのため,アビガンを供与された国・地域の規制当局はアビガンを医薬品として市販後に規制する術を知らない。結果的に海外では医師の裁量に全てを任せる,あるいはOTC (over the counter drug)として処方箋なしで購入できる(*)野放し状態となる。その結果,ブラジルで今日まで続いているサリドマイド禍の悲劇がアビガンを供与された国々(特に発展途上国や中所得国)でも繰り返されることになる。実際にアビガン自体も,ギニアにおけるエボラウイルス感染
症に対するsingle armのProof of Concept試験(JIKI
Trial)では,日本における承認総投与量の3.5倍ものアビガンが,6人の女児(すべて6歳以下)と,平均年齢36歳の70人の女性に対し投与さ
れた(PLoS Med. 2016;13(3):e1001967. doi: 10.1371/journal.pmed.1001967) .少なくとも論文には試験終了後の被験者の妊娠,出産については一切フォローアップの記載がなく,この点だけでも被験者の人権が守られた試験とは到底言えない.ヘルシンキ宣言違反で調査の要あり.なお,ギニアにおける識字率は39.5%である(Wikepedia 識字率による国順リスト)
●コロナパニックの最中の国内でも事故・事件が起こる可能性が高い:感染症パニックがなんぞとは無縁の状況であっても、「貴重な特効薬」を巡っては、詐欺、横流しなどの事件が起きる(「ソバルディ横流し」(2016年6月)、「ハーボニー」偽造品(2017年1月))。ましてや況んや、コロナパニックの最中においておや。アビガンの盗難、横流し、個人輸入、そして妊娠可能な女性への投与といった様々な犯罪、事故が、これまでも、そして今後も絶対起こらないと誰が断言できようか。
●誰も止めようとしない「アビガン祭り」:ところが今や産官学が一丸となってアビガンの適応外使用を、国内だけでなく国外でも推進している。かつて承認前のイレッサを「副作用のない夢の抗がん剤」と持て囃したメディアは性懲りも無くアビガンを絶賛するばかり。この極めて危険な状態を阻止する最後の砦となるはずの既存の市民団体も、少なくとも現時点では行動を起こしていない。 (2020/5/1 薬害オンブズパーソン会議が「アビガンに関する意見書(新型コロナウイルス感染症に関して)」を厚生労働省に提出)
参考記事:イレッサ・福島・そしてエボラ〜薬のリテラシーとは〜(日経メディカルオンライン 2014/9/17):感染症パニックの最中に「特効薬」を目指して開発しようとする時に生じる数々の問題を整理してあります。
*アビガンの製造特許は存続しているが,物質特許は2019年に既に失効しているため,富士フイルムの製造特許に触れない形でファビピラビルを開発・製造販売することが可能(日経バイオテク 2020/03/18 中国企業製造のファビピラビル、「COVID-19に有効」と中国科技部)
3.「既承認薬だから安全・安心」という嘘:催奇形性の問題だけクリアすればいいわけではない
注1:アビガンの正式な承認効能効果は,『他の抗インフルエンザウイルス薬が無効又は効果不十分な新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症』である.
注2:日本が世界に誇る医薬品副作用被害救済制度は,それが如何なる医薬品であろうとも,COVID-19のような適応外使用の際に生じる副作用に対しては適用されない.これが適応外使用の最大の問題である.
注3 薬害オンブズパーソン会議が「アビガンに関する意見書(新型コロナウイルス感染症に関して)」を厚生労働省に提出)
COVID-19のような,それまでに経験のない未知の感染症に対し「特効薬」を宣伝する向きがしばしば用いる口実が、「既承認薬ならばヒトに対する安全性が確認されているから,後は有効性だけを検証すれば良い」という嘘である.なぜそれが嘘かというと,市販後処方され,安全性の問題が検討されているのは,あくまで承認効能効果が適した集団だけであり,適応外の集団では,有効性だけでなく,安全性も未知だからである.
昨年,東工大のグループが,サリドマイドの標的タンパク質セレブロンが脳の神経幹細胞の増殖を制御することを解明した.同サイトには「本成果により、サリドマイド類似薬が神経幹細胞に作用する可能性が示唆されました。本研究の知見を利用することで、神経幹細胞の増殖を促す新たな薬剤開発も期待されます」とある.つまり,安全性に重大な懸念のあるサリドマイドをアルツハイマー病の治療薬としてそのまま開発するような無謀なことは決してやらないという意味である.一方,アビガンについては,サリドマイドのように,催奇形性を含めて安全性に懸念のない類似薬を開発することなく,アビガンをそのままいきなり介入研究として使うことになった.誰が見ても被験者の人権を無視した無謀な開発である.こんな開発を決断した責任は誰が取るのだろうか?
「アビガン」論文取り下げ中国でのコロナ治療国内研究は継続 日本経済新聞2020年4月4日
アビガン投与が「観察研究」??(日経バイオテク 2020.03.16)
4.第二のサリドマイドという意味:国外での催奇形性事件の責任を誰が取るのか?
アビガン(一般名ファビピラビルfavipiravir)は典型的なローカルドラッグ,つまり,2020年2月18日に中国が突然承認するまでは,日本でのみ承認されていた.その中国からも,承認申請の内容は現在まで公開されていない.だから,FDAやEMAを含め海外の規制当局は,何らアビガンに関する情報は持っていない.審査報告書の英訳はおろか,添付文書の英訳さえ存在しない。それゆえ,海外の規制当局は催奇形性を含むアビガンの副作用問題については,何の行動も起こせないし,何の判断も示せない.何が起こっても知ったことかという態度を取るしかない.承認した中国の規制当局もいざとなれば同じ態度を取ることは目に見えている.COVID-19終息後,サリドマイドと同様の強い催奇形性のあるアビガン[1, 2, 6]を無償供与した50ヶ国[3]で奇形の多発が明らかになろうとも[4, 5],全ては日本政府,日本の規制当局,そして企業の責任だとアビガンの被害者達は言うだろう.
実はアビガンは既に海外で使われた実績がある。それも被検者の人権がないがしろにされた疑いが非常に濃い臨床試験で。ギニアにおけるエボラウイルス感染症に対するsingle armのProof of Concept試験で,日本における承認総投与量の3.5倍(*1)ものアビガンが,6人の女児(すべて6歳以下)と,平均年齢36歳の70人の女性に対し投与された JIKI
Trialがそれである(*2)(PLoS Med. 2016;13(3):e1001967. doi: 10.1371/journal.pmed.1001967) [7]も含まれている。
*1 JIKI Trialでは,初日6000mg/日,2日目以降2400mg/日を10日間で計27600mg。一方,承認用量は初日2400mg/日,2日目以降1200mg/日を4日間で計8000mg
*2 論文には妊娠・出産に関しては「妊婦は除外した」とあるだけで,男性側の避妊の必要性,試験期間中及び試験終了後の避妊,及び試験終了後の妊娠,出産に関するフォローアップに関する記載は一切ない。
[1] アビガン添付文書
[2] アビガン審査報告書
[3] アビガン供与で100万ドル無償資金協力 政府、50カ国想定(日本経済新聞 2020/4/7)
[4] 佐藤 嗣道 サリドマイド薬害事件の歴史と薬の催奇形性・先天異常に関する教育の重要性:1965年、サリドマイドがハンセン病の症状緩和に効果があることが報告され、以後ブラジルでこの薬の製造販売が再開された。しかし、危険性の情報が十分に伝わらず、1998年までに120人もの新たな被害児が生まれたとされている。
[5] BBC News (24 July 2013) Brazil's new generation of Thalidomide babies.
A new scientific study seen exclusively by the BBC indicates that the drug Thalidomide is still causing birth defects in Brazil today. It's been given to people suffering from leprosy to ease some of their symptoms, and some women have taken it unaware of the risks they run when pregnant.
[6]松本華哉 期待のアビガンが簡単に処方できない理由 ITmedia (2020年4月21日)
[7]Experimental Treatment with Favipiravir for Ebola Virus Disease (the JIKI Trial): A Historically Controlled, Single-Arm Proof-of-Concept Trial in Guinea. PLoS Med. 2016;13(3):e1001967. doi: 10.1371/journal.pmed.1001967
5.過度な期待と毒性の否認の相乗効果が国内でも事件・事故を誘発する
懸念は海外での処方に限らない。国内でも事故・事件が起こる可能性が高い。私がそう考える根拠は以下の通りである。
●感染症パニックは人間の認知を極端に歪める→医薬品のリスク・ベネフィットバランスを適切に認識できなくなる。
「コカインが(COVID-19の原因ウイルスである)SARS-Cov-2を殺す」というデマが2020年2月に(ナイジェリアから?)南米に流れ始め、WHOは直ぐに対応したが,それでも抑えきれなかったため、3月10日にはフランス政府がデマを全面的に否定する騒ぎになった。依存薬物としてその毒性が広く知られているコカインでさえこの始末である。それに比べれば、サリドマイド同様の催奇形性を持つとはいえ、アビガンも一応承認医薬品ではある。それを日本全体がこぞって賞賛している現状は、コカインに比べれば「かわいいもの」なのだろうか?
●「特効薬」が誘発する犯罪・事故
感染症パニックがなんぞとは無縁の状況であっても、「特効薬」を巡っては、詐欺、横流しなどの事件が起きる(「ソバルディ横流し」(2016年6月)、「ハーボニー」偽造品(2017年1月))。ましてや況んや、コロナパニックの最中においておや。アビガンの盗難、横流し、個人輸入、そして妊娠可能な女性が服用 といった様々な犯罪、事故が、これまでも、そして今後も絶対起こらないと誰が断言できようか。
6.雨ごいの効果と同じ「アビガン効果」
COVID-19に対するアビガンの有効性のエビデンスは雨乞いの太鼓の域を出ていない(津谷 喜一郎 薬効評価の三「た」論法再訪)。それが今のところ(2020/4/23),アビガンの有効性について私が知っていることの全てである。もし,レムデシビル同様にプラセボ対照ランダム化試験の結果が論文として公開されれば,ここでreviewすることにしよう。
7.アビガンはプラセボ対照ランダム化試験に悉く失敗してきた
アビガンの添付文書を読んで,まず非常に奇妙なことに気づく.効能効果に「新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症」(ただし、他の抗インフルエンザウイルス薬が無効又は効果不十分なものに限る)とある。臨床開発を少しでも知っている人間ならば,未承認薬がいきなり未知の病気である「新型インフルエンザ」に対して開発されることなどあり得ない。添付文書冒頭の「黒枠警告」(*)にも,「新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症に対する本剤の投与経験はない」と明記されている。アビガンは,投与経験さえない疾患に対してのみ効能効果が承認されている、承認審査史上初の医薬品である。(*日本の添付文書では、最高レベルの注意喚起である「警告」は全て赤枠赤文字,アビガンの黒枠警告は特例。つまりそれだけ深刻な問題である証拠)
適応外使用が追加承認効能効果まで出世する場合には,初めの承認効能効果の頑健な土台が必須である。なぜならば,ピカ新の開発は一番手堅いところ=可能性の高いところから狙うからだ。医薬品開発は競馬とは違う。本場所で幕下が横綱に挑戦することはない。フライ級の品目がヘビー級の効能効果を狙うことなどあり得ない。裏を返せば,ここ一番の勝負となる新薬としての開発で失敗した品目が,異なる効能効果で成功することなど万が一にもあり得ない。アビガンが正にそれだった。アビガンは最も大切な開発に失敗した=申請効能効果である季節性インフルエンザの承認を取れなかったのである。それが信じられない人は,審査報告書を読まれたし。もっともそう言われて読むような人はいないだろう。ここまで読んできた人は審査報告書を敢えて読まなくても,私の説明に納得しているはずだから,あるいは既に審査報告書を読んでいるだろうから。
8.CBRN対抗医薬品開発の難しさ
COVID-19に対する未知の感染症に対する医薬品の開発はCBRN(chemical, biological, radiological, or nuclear agents)対抗医薬品開発そのものである。前触れもなく突然やってくるCBRN agentsに対抗するための医薬品開発は、通常の開発とは全く異なる数々の困難に出会う。この点については、2014年に私が日経メディカルオンライン執筆した記事を参考にされたい。→イレッサ・福島・そしてエボラ〜薬のリテラシーとは〜 日経メディカルオンライン 2014/9/17 掲載
9.メディアが仕掛ける「アビガン事件」
西のクロロキン vs 東のアビガン: 「政治家だから観察研究と介入研究の区別なんか知ったことか」とでも言いたいのだろうが,何も知らないのか,知らないふりをしているのか,そんなことはどうでもいい。あれほど「私が責任を取る」という言葉が大好きな御方が,結果が全てであり,結果責任を問われるのが自分であることを忘れるほど記銘力障害が重篤ならば,被告人席に座らされる前に直ちに引退することを勧めする。
(「治験とは別の「観察研究」という形で、アビガンを使用することを××××が記者会見で述べていた」)
規制当局:介入臨床研究を「観察研究」と偽装するような子供だましは既に衆目の認めるところである。(アビガン投与が「観察研究」??(日経バイオテク 2020.03.16)なお,私は初めからわかっている負け戦には与しない主義である。なので,来るべき国賠訴訟では,私が意見書を書くとしたら原告代理人からの依頼によることを予めお断りしておく。
当該開発・製造販売者:(製薬企業の名に値しない.コメントに値しない)
イレッサ以上の悪夢再び。メディアが仕掛ける「アビガン事件」:催奇形性を含め,アビガンの有害作用も有効性の欠如も,上述のごとく公開規制文書(添付文書,審査報告書)に明記されている。またブラジルで、そしてドイツで、サリドマイドの「薬害」問題が今もなお続いていることを含め,これからアビガンがサリドマイドと全く同じ道をたどることを示す膨大な資料もネットで公開されている。その公開資料の中には,上述のJIKI Trialも含まれている。JIKI Trialが公開されてから4年もの年月が経つというのに,その間,アビガンに疑いを差し挟む声は,どこからも聞こえてこなかった。そし
てこのお祭り騒ぎである。この作為的な高揚感は、イレッサを彷彿とさせる。
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有
名な大学病院などで医療事故が起きると、大きなニュースになり、マスコミはこぞって医師や病院を叩きます。 それを見ている−般の人たちは、「マスコミは正義の味方だ」と感じることでしょう。たしかに、マスコミの力がなければれば世間の知るところにならず、隠蔽されてしまう事故もあっただろうことは事実です。 一方で、マスコミが重視するのが「話題性」であることも忘れてはなりません。いくら一般人の役に立つことであっても、大きな話題にならなければ彼らは取り上げません。 その典型が、抗がん剤「イレッサ」の裁判です。
2002年に登場したイレッサは、肺腺がんに効果がある薬として、マスコミに大いにもてはやされました。「奇跡の薬」と持ち上げた雑誌もあります。
ところが、間質性肺炎という合併症を起こし死亡する患者さんが出ました。すると今度は、手のひらを返したように、 マスコミは製薬会社と政府を叩きました。
マスコミが大騒ぎしたのはここまでです。実はその後、患者さんサイドが裁判を起こしましたが、2013年、最高裁で薬害としての法的責任は否定されました。でも、そのことは小さな記事にしかなりませんでした。 今もイレッサによって助けられている患者さんはたくさんいます。しかし、当時の大騒ぎのせいで、重い印象を抱いたままの人も多いことでしょう。勝手なマスコミに振り回されることなく、真実を見極めていきたいものです。(武田篤也 最新科学が進化させた 世界一やさしいがん治療 ベストセラーズ (2018/1/19)より)
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アビガン事件はイレッサをはるかに上回る大問題となる。なぜならイレッサは立派な薬だったからだ.血糖降下薬ならまだしも、ただの一度もプラセボに対して優越性が証明できない感染症治療薬がイレッサと同じ扱いになるわけがない。一朝事あれば、イレッサの時と全く同様、メディアはお得意の手のひら返しで、政治家、役所、企業をまとめて叩きまくるに決まっている。併せて、決まって「薬害」とやらが実際に出てからしか出動しない後出しじゃんけん団体が、メディアの尻馬に乗って此処を先途と裁判を起こす。そうなるともう誰も味方になってくれない.裁判では、「有効性が期待できないどころか、第二のサリドマイドと知りながら人体実験を行った」との原告主張に反論する医者が見つからないままボロ負けし,当該企業の会長・社長にはミドリ十字の被告と同じ運命が待っている。
10.医者は全く当てにならない
ハイリスク患者へ「アビガン」などの早期投与 日本医師会が要望 (ABEMA TIMES 2020.04.28)
新型コロナウイルスの治療薬・ワクチン開発が進められる中、アビガンの早期投与によって症状の改善がみられた事例が報告されている。また、政府がアビガ
ンの備蓄を増やしている状況を鑑み、「投与禁忌または副作用、基礎疾患治療のための服薬中の他剤との相互作用などを十分に注意することを前提とし、備蓄さ
れているアビガンを活用して、入院初期のハイリスク者に対する投与を推進していただきたい」とした。
↑日医の会長からしてこの有様だ.後は推して知るべし.
11.今ここにあるアビガンの未来
私がプリオン病潜伏感染当事者として日本でも牛海綿状脳症(BSE)が発生する可能性を指摘したのが1996年3月。そして2001年9月10日(3.11の前日)日本で最初のBSEが発見されるまでの5年半の間,JAも農水省も,イギリスのような汚い国と日本は違うと言わんばかりに,「安全なJビーフ」キャンペーンを展開するだけで,狂牛病パニックに対して,何の手も打たなかった。バルサルタンの自主臨床研究適応外使用推奨目的のseedng trialの問題点も,2007年末,ランセットに論文が出た時点で指摘して差し上げたが,それから5年余り後に発生した,似非医学ジャーナリストによるディオバン「事件」のでっち上げを誰も阻止できなかった。
上記の2つの事件と全く同様,このページが公開された後も,数年以上何事もなく過ぎるだろう。なぜならば,海外でアビガンによる催奇形性の被害者が自分で声を上げられるようになるまでには年余の時間がかかるからだ。その後に何が起こるかは,予言者でなくともクリック一つですぐにわかる。通常の「薬害」事件と異なり、アビガン事件はサリドマイド問題と同様、次世代まで続く。アドルフ・アイヒマンがエルサレムで絞首刑になったのは1962年。総統閣下がベルリンの地下壕でシアン化カリウムを仰いでから「わずか」17年後だった。一方,グリュネンタールがコンテルガンを市場に投入から60年経ってもなお,ドイツでのサリドマイド訴訟は続いている。(ドイツでのサリドマイド訴訟の聴聞会日が発表(AsiaNet 67389 2017.2.13)
12.イレッサ事件再び
そりゃ珍しいだろうよ.市民団体にとって,こんなに美味しいカモネギはないやね.介入研究と観察研究の区別もつかない点も,どこかの素人同様じゃねえか.それが何の反省もなく,のこのこ出てきやがって,恥知らずどもが.お若い方々,よーく御覧あれ.こうしてイレッサ事件は起こったんだ.この種の記銘力障害は,どんな感度の良い認知症スケールでも絶対に検出できない.全く同じ事をアビガンでも繰り返そうとしているのが何よりの証拠だ.→臨床研究無法地帯
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アビガン投与、現場の医師判断で 県医師会が「福岡県方式」検討(西日本新聞 2020/5/1)
福岡県医師会は30日、福岡市で記者会見を開き、新型コロナウイルスの治療薬として期待される新型インフルエンザ治療薬「アビガン」の投与について、現場
レベルの医師の判断で決められる態勢を構築する方針を明らかにした。県と協議中といい、県医師会は「国の許可が得られれば『福岡県方式』の5月中のスター
トを目指したい」としている。全国的にも珍しいという。(中略) 厚生労働省によると、アビガン投与には、国が支援する研究機関が行う観察研究などに参加する方法がある。通常は、各病院が観察研究の参加手続きを行う必要があるが、「福岡県方式」では、県医師会が一括して実施する。
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承認されたってへいちゃらさ.だってアビガンを勧めるような破廉恥なお医者様はお断りすればいいんだから
自分の命は自分で守ろう!!
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