平成10年8月11日付医薬審第672号医薬安全局審査管理課長通知「外国臨床データを受け入れる際に考慮すべき民族的要因について」
象を見たことがなかった江戸時代の人々が,象というのはどんなものか,あれこれ想像していた.この通知から8年もたっていない現在,ただ用量反応曲線が似ていれば,あとは何でも外国から持ってこられると信じ込んでいた時代は終わりつつあるようだが,我々も,ブリッジング申請について,まだまだ群盲の状態にあると言えよう.
たしかにブリッジング申請の数は年々増えてはいる.しかし,品目が偏っている.ブリッジング申請が多い分野,ほとんどない分野,ブリッジングの試みはあっても,なかなかうまく行かない分野,様々だ.様々な疾患,様々な治療薬があり,その品目毎に内外差も臨床試験のやりやすさも違うのだから.
ブリッジングばっかりは,日本以外の国にお手本がない.今や,中国やインドでの臨床試験データをどう審査するのか悩んでいるFDAやEMEAに対して,我々が手本を示していく時代である.
しかし,その我々でさえ,ブリッジング申請が初めてというような分野では,象の映画をみたことはあっても、街中を象を歩くとどんなことになるのかまだ正確に予測できる自信がない状態だろう。
そろそろ一里塚でブリッジングの歴史を振り返る必要がある。どなたかセミナーをやっていただけませんか。