東スポの日英比較
某お役所ではRisfaxの別名は「東スポ」だったが、英国では大学の広報部が同様の役割を果たしているようだ。
AncientBiotics - a medieval remedy for modern day superbugs?
以下はその日本語解説。決して日刊薬業が東スポだと言っているのではないので、誤解のないように。
---------------------------------------------------------------
1000年前のシーズ、芽吹くか(日刊薬業 2015年4月7日 )
英ノッティンガム大が先月末に出したプレスリリースによると、中世の医学書に書かれていた眼軟膏の製造法を同大が再現し、実験したところ、MRSA(メチ
シリン耐性黄色ブドウ球菌)に対して強力な抗菌効果が得られた。海外ニュースで紹介されていたので、ご存じの方もいるかもしれない。なお、エープリルフー
ルのネタではないことを前置きしておく。実験の基になったのは大英図書館収蔵の10世紀のBald’s Leechbookで、最古の医学書の一つ。同大はそこに記されたレシピを、材料から容器まで当時の製造法そのままに再現した。
ニンニク、タマネギ(もしくは西洋ネギ)、ワイン、そして牛の胆汁を医学書の指定する比率に従い調合し、真ちゅうの容器で醸造。レシピ通りに9日間放置し
た。そうして出来上がった「薬」をMRSAに使ってみた。個別の材料ではいずれも特筆すべき効能は認められなかったにもかかわらず、その液体は強力な殺菌
効果を示し、MRSAがほぼ全滅した。死滅に至らない場合でも菌の細胞同士の情報伝達を阻害する効果があることが分かった。さらに、同大はあと3回、
「薬」を作り直して、そのたびに同様の効果を確認したそうだ。マウスを使用した動物実験でも、MRSAを最大90%死滅させることに成功した。
研究者のリー博士の言葉。「研究所での結果には本当に驚いています。科学に基づかない、古い文献に書き記された過去の知恵から、最新の疾病研究が学ぶところは多いのです」
1000年前のシーズは芽吹くだろうか。機序などの解明が待たれている。(吉野 健)
---------------------------------------------------------------
→目次へ戻る