検察の病態
ー帝国陸海軍を解釈モデルとしてー

検察の病態=自分は決して間違いをしない正義の神だと思っている=決して反省しない=どんな大失敗をしてもそれを認めない=全く進歩がない=同じ大失敗を繰り返す


検察は組織行動学(OrganizationalBehavior)の観点から、非常に興味深い研究対象です

私が検察批判をしているのは、「検察をよくしたい」と思っているからなんです。このままの検察ではどうなってしまうのかわからないという危機意識から、かつて検察に属した人間の責務だと思って、検察批判をしているのです。検察批判を他に誰かやってくれるのなら、やってもらいたい(笑)。(郷原信郎)

私が検察批判をしているのは、「検察をよくしたい」と思っているからなんです。このままの検察では藪医者と名医の区別もつかないまま検察官自身の心と体が蝕まれ、あたかも自らが神のごとく振る舞い続ける無謬性依存症から離脱できずに倒れていく検察官が続出する。そんな危機意識から、医師の責務だと思って、検察批判をしているのです。検察批判を他に誰かやってくれるのなら、やってもらいたい(笑)。(池田正行)

帝国陸軍を解釈モデルとすることの意義
旧軍部と検察に共通する数多くの問題点を最初に指摘したのは、郷原信郎氏である。しかし、多くの市民は郷原氏の見解に決して独創性は認めない。ましてや郷原氏を異端児などとは決して思わない。

永久不敗の神軍を自称する組織には外部からの批判が全く入らず、じせいしよう希に親切に助言しようという奇特な人物がいたとしても、その声に耳を貸すどころか、その人物を抹殺しようとさえする。そうしてその組織自体は腐っていく。さすがにそれは誰でも覚えている。知っているからだ。郷原氏の指摘には、独創性・新規性はこれっぽっちもない。郷原氏の功績は、我々の記憶を呼び覚ましてくれたことにある。

検察という病の研究
このページも順次書き込んでいきますが、検察という病の研究も、帝国陸海軍という解釈モデルを通せば、非常に理解しやすく、また下記に示すように資料もたくさん出ています。これだけの資料があれば、たとえ検察の内情がわからなくても、検察という病を的確に評価できます。

帝国陸軍という典型的な日本型官僚組織が、検察として厳然として残っているばかりでなく、外からの批判が全く入らないために自壊していく経過もうり二つで、組織行動学(OrganizationalBehavior)の観点からも興味溢れる研究対象です。

参考資料:帝国陸海軍の行動は、組織行動学の絶好の事例検討集です。

失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫):組織行動学の観点から日本軍の行動を分析。

デイヴィッドハルバースタムベスト&ブライテスト(朝日文庫):実は太平洋の向こう側でも、同じようなことをやっていることがよくわまります。この本の最大の難点は、やたらと多い登場人物に加えて各人の学歴・履歴がこれでもかと出てくる点ですが、どれも「超エリート」だってことで、そこはまとめてすっ飛ばして読めばよい。

亀井 宏 ガダルカナル戦記 (光文社NF文庫):これも上記同様分厚い文庫本が3冊ですが、上記の「失敗の本質」では捉えきれない戦略上の問題(物量・科学技術と、それ以前に、戦争そのものに対する国民の考え方)に対する決定的な彼我の違いが戦争の帰趨を決していたこと。ガダルカナルはその象徴の一つに過ぎなかったことがわかります。

三根生久大 帝国陸軍の本質(文春文庫):戦場を知らずに大本営の建物の中でパワーゲームに興ずる陸大卒軍刀組の姿が特捜と重なります。

一般市民としての医師と法 に戻る