十年一昔
−神経科学ブームの終焉−
「中国」と「神経科学」!!10年前には,なんと素晴らしい組み合わせに聞こえたことだろうか.2007年.それは私がPMDAを去った年だった.なのに今更,「産学協同」という漢字をPPPsを呼び替えたところで,時代の流れがどうにかなるもんでもあるまいに.「認知症治療薬の開発」というスローガンで製薬企業から金をもらえるような時代は,もう終わったということだ.
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1億ドルかけて科学者1000人を雇うとして築いた中国のR&D拠点をGSKが閉鎖 BioToday 2017-08-04
1億ドルを投じ、6年間に科学者1000人を雇うとして10年前に設立が発表された中国上海の神経科学研究拠点をGlaxoSmithKline(GSK)が閉鎖します。 その設立時に、当時のGSK R&DリーダーMoncef Slaoui氏は5-10年で中国製(made in China)から中国発(discovered in China)に移ると言っていましたが、神経科学分野ではその願いは叶いませんでした。
GSKはかつて神経科学分野で幅を利かせていましたが、いまや重視しているのは主力分野2つ・HIV/感染症と呼吸器疾患と新たな分野2つ・オンコロジー
と自己炎症疾患の4分野であり、神経科学製品は開発品一揃えの最後に1つあるのみです。GSKの前CEO・Andrew
Witty氏は2011年の段階で神経科学分野からの撤退を示唆していました。
[10年前のニュース] GSK to spend $100m on R&D in China / FT
GSK to shutter central neuroscience R&D hub in China / FierceBiotech
10 years and $100M-plus later, GSK shutters a China R&D site during a major pipeline overhaul / Endpoint
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精神疾患の治療法開発で「PPPs」構築を 日本学術会議が提言 開発停滞に危機感 日刊薬業 2017/8/2
日本学術会議(会長=大西隆・豊橋技術科学大学長)は、精神疾患の治療法開発に向けた打開策として、新たな産学官連携の在り方に関する提言をまとめた。バイオマーカーの開発など企業単独では難しい共通課題を克服するため、開発競争が始まる前の段階を「競争前連携フェーズ」と位置付け、「パブリック・プライベート・パートナーシップス(Public Private Partnerships=PPPs)」を構築するよう提唱している。提言は、日本学術会議の臨床医学委員会・脳とこころ分科会(委員長=山脇成人・広島大大学院医歯薬保健学研究科特任教授)が中心になってまとめた。
提言では、一部のメガファーマが向精神薬開発から撤退していることに言及。要因として、精神神経疾患は病態解明が不十分で、治療効果を反映するバイオマーカーの特定が遅れているため薬剤開発の成功率が低く、投資した開発費の回収も困難と分析した。その上で、費用対効果を考慮した治療法の開発に向けてPPPsの構築が必要と指摘した。
PPPsは、民間事業者の資金やノウハウを活用し官民が協力して社会資本(研究開発環境)の整備を行う産学官連携の一つの考え方。複数の製薬企業などとアカデミアで構成し、得られた成果は企業とアカデミアが活用する。提言では、競争前の連携をPPPsが担えば、治療法開発に向けた共通ツールの重複が避けられると指摘。競争資金が有効に活用されることで、効率的で効果的な治療法の開発が実現可能とした。
●産学でゲノム創薬開発の課題克服へ
精神神経疾患の治療法開発に向けた共通課題としては▽イメージングバイオマーカーの開発▽臨床研究・治験データ症例と臨床研究症例の基本データベースの構築▽神経回路障害を代償するBrain Machine Interface(BMI)技術の開発▽精神疾患の層別化技術の開発▽神経疾患の治療法開発のための基盤構築▽脳疾患ゲノム創薬イニシアチブの構築―の6点を挙げ、PPPsによる研究体制構築の重要性を強調した。
このうちゲノム創薬に関しては、解析規模が大きく、巨大な費用も必要なことから、従来型の研究者個別研究の延長線上では難しいと指摘。政府からの研究資金だけでなく、企業も参加する競争前連携分野研究によって、疾患の分子病態・神経回路病態を直接ターゲットとする真に有効な治療法開発が実現できるとした。
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