使途不明金退治

数十年以上前から、「奨学寄附」・「市販後臨床研究」と称する怪しげなお金が、製薬企業の営業部隊から販促目的で、主に大学のお医者さんに対して大量に流れてきました。これは海外にはない商慣習で、特に外資系企業では、本社に対して、この使途不明金を説明するのが大変でした。

文房具などの販促グッズの費用はおろか、従来から問題視されてきた、新薬説明会での飲食提供や学会のランチョンセミナーなどをも遙かに凌ぐ膨大な資金が、契約書無しの白紙委任「臨床研究」に投下され、極めて劣悪な「臨床研究」の数々を支えてきたのです。

このような使途不明金を維持してきたのは、製薬企業の中でも、主に営業部隊です。”あの「偉い先生」の医局にお金を貢がないと、我が社の売り上げが落ちる。他社に遅れをとるな!” と彼らは強行に主張してきたわけですが、そのような使途不明金で医薬品の販促を図ることが企業の社会貢献と認められるのかどうかは、企業サイドはもちろん、どういうわけか、医療者側からも、ほとんど議論されてきませんでした。

公には、唯一日本製薬医学会JAPhMedが、この使途不明金を以前から問題視してきましたが、医療界全体でようやく利益相反のガイドラインが整備されつつあることを受けて、JAPhMedが、この使途不明金問題にもカタを付けるべく動き出したことを御紹介する次第です。

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From: 一般財団法人 日本製薬医学会
日付: 2011年10月3日17:12
件名: 医師主導臨床研究に関する契約書(JAPhMed版)を掲載

日本製薬医学会 MA部会作成の臨床研究契約サンプルを学会のHomepageに掲載いたしました
 この契約書式は、日本国内での医師主導臨床研究に対する製薬企業からの資金支援に関して、十分な内容を盛り込んでおり、また、弁護士による厳しい法務レビューもクリアーしたものです。
 これまでの日本における臨床研究は、製薬企業より医師が寄付金による資金提供を受けて行うものが圧倒的に多数を占めてきましたが、厚生労働省の「臨床研究に関する倫理指針」が求めているように被験者保護、利益相反などの問題点を解決できていませんでした。
 昨今、海外ではSunshine法案、日本では製薬協の「企業活動と医療機関等の関係の透明性ガイドライン」、日本医学会より「医学研究のCOIマネージメントに関するガイドライン」が相次いで発表され、産学協同での臨床研究を推進するに際して、資金の透明性向上が求められています。そこで、日本製薬医学会ではこのたび「医師主導臨床研究に関する契約書(JAPhMed版)」
をまとめました。
 会員の皆様には、是非このツールを活用して、あるいは周囲に薦めて頂き、日本の臨床研究の質のさらなる向上とともに、国際的にも標準化されている契約に基づく臨床研究の推進に努めて頂きたくお願い申し上げます。

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医師主導臨床研究に関する契約書(JAPhMed版)を掲載

発表:「臨床研究での利益相反管理 ?特に企業支援を受ける場合の留意事項?」
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