尻拭い調査会

過去の承認審査の汚点の始末は,本来審査部門がその責を負うべきなのだが,審査部門には自分の尻を拭く能力もないと見切りをつけられたのか,尻を拭く暇もないほど忙しいと同情されたのかは知らないが,いずれにせよ,見るに見かねて,保険医療を担う部門が尻拭い役を買って出てくれた.

といっても,結局は外注で,その昔,承認審査で調査会なる外部専門家(学会の偉い先生方)の集まりをそのままそっくり真似たものをつくり,そこに尻拭いをさせようというわけだ.かつて,自分達で承認したものの始末を,自分でやらせるというわけである.

それにしても2900万円なんてあんまりだと思うかもしれないが,そこはそれ,尻拭いのために大切な血税は使うわけにはいかないということで.

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厚労省05年度から根拠不十分の医薬品を再評価

厚労科学研究「疾患別EBM診療GL」掲載医薬品

 厚生労働省は2005年度から、厚生労働科学研究の「疾患別EBM診療ガイドライン(GL)」に掲載された医薬品の臨床的な有用性を評価するための取り組みを開始する。

 薬事法上の承認を受けた医薬品がGLの中で「有用性の根拠が不十分」とされるなど承認時の評価とGLの評価が矛盾するケースがあったため、あらためてGL掲載医薬品の有用性を評価する。同省内に新設する専門委員会を中心に、毎年4疾患程度のGLを取り上げ、最終的にはすべてのGLの医薬品を評価する。初年度は、胃潰瘍や白内障のGLで有用性の根拠が不十分とされた医薬品などが対象になる見通しだ。

 同省は厚労科学研究を通じて、GLの作成に取り組んでいる。すでに糖尿病、高血圧、喘息、胃潰瘍、脳梗塞、白内障など約20疾患分が完成。各GLには、医薬品の有用性、その根拠、使用の推奨度などが示されており、薬物療法の目安にされている。

 しかし、胃潰瘍や白内障のGLなどでは、薬事法上の承認を受けている一部の医薬品が「有用性の根拠が不十分」などとされたため、臨床現場で一時混乱が起きた。こうした状況などを踏まえ同省は、今回の取り組みを行うことにした。

 05年度初めに、GL作成に携わった学会関係者や、その疾患領域の専門家などのメンバーで構成される専門委員会を新設。GL策定に用いたデータや、製薬企業が保有している承認時の臨床試験データなどを収集して、臨床的な有用性を専門的に評価する。

 専門委の評価結果は、作業開始から1年以内にまとめる予定。「有用性が認められない」と判断した場合には、薬事法上の医薬品再評価の対象に指定。この結果に基づいて承認取り消しなどの措置を講じる。また「有用性は認められるものの情報の整備が必要」と判断された場合には、添付文書の改訂などを企業に促す。逆に、「収集したデータから新たな有用性が示唆された場合」には、適応拡大に向けた作業を進めることも視野に入れている。

 取り組みは、05年度予算案の医薬品再評価推進費(約2900万円)で行う。

ケアネット医療ニュース 2005年01月07日(金) 情報提供:(株)じほう
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