信仰に基づく開発

オイオイ、臨床試験してないのに、「1回の接種で済む」って・・・それは開発じゃなくて、信仰だろうが。もっとも、この諸行無常の業界では、理屈なんぞは一切無用、信仰だけで突き進まないと、とてもじゃないが、「10年後の実用化を目指す」ことはできないのだが。

---------------------------------------
第1部ウイルスと闘う(下)国境超える熱帯性感染症(医の近未来)
2010/02/25 日経産業新聞

日本でも熱帯病
これまで特定の地域で特異的に流行していたウイルス感染症。人口移動の活発化が脅威を増幅させている。神戸市須磨区の神戸大学名谷キャンパス。ここで、東南アジアや中南米で流行するウイルス感染症「デング熱」のワクチン研究が進められている。
抗原となるDNA(デオキシリボ核酸)の一部を投与するDNAワクチンと、ウイルス表面のたんぱく質を投与するたんぱく質ワクチンを組み合わせた「配合ワクチン」で、いずれもウイルスを投与する現在のワクチンの次に来る技術だ。
デングウイルスはその種類によって4タイプあり蚊が媒介する。感染すると発熱や頭痛、関節痛などのデング熱を発症する。通常は1週間もあれば回復するが、発症後に別のタイプのウイルスに感染すると、より重症な「デング出血熱」を発症する。
国立感染症研究所によると、08年には海外から帰国した日本人のデングウイルス感染例が100を超えた。現在、世界に有効なワクチンや治療薬はない。
神戸大は4タイプすべてのウイルスへの免疫作用を引き出すようにDNAワクチンを設計。たんぱく質ワクチンを加えることで免疫効果が長期間続くようにし、再感染への予防効果をもたらす。ワクチン大手の仏サノフィ・パスツールが臨床試験(治験)を進めているデング熱ワクチンは3回の接種が必要だが、神戸大のワクチンは1回の接種で済む。

10年後実用化へ
DNAワクチンは量産可能で安価。神戸大はハムスターなどの代わりにガの細胞を使ってたんぱく質ワクチンを培養する技術も確立した。神戸大の小西英二准教授は「途上国向けに1回の接種が1ドルで済むようにしたい」と話す。今後は症例数の多いインドネシアの大学と共同で、有効性などを確かめる研究を進める。10年後の実用化を目指している。
「ヒトやモノの移動に国境がなくなっている。熱帯の流行地域でワクチンが実用化できれば世界的な広がりも防げる」(小西准教授)。地球温暖化の影響で蚊が発生しやすくなっている。グローバル化や環境問題が新たなウイルス感染症との闘いを迫っている。
---------------------------------------

目次へ戻る