iPS芸人とやらの口から出任せに乗せられて、どの全国紙も、「ウチは騙されなかった」・「ウチは騙されて反省している」と、またまた低劣な報道合戦を虚しく展開するだけで、質の高い科学記事を掲載して読者を獲得する戦略が全く見えてこない。実は簡単なことなのだが、「ウチは、金儲けには関心がない」とばかりにお高く止まった新聞社には無理な注文なのかもしれない。
臨床・生命科学に関するリテラシーは、銭勘定に欠かせない読み書き算盤である。その証拠には、Forbesのような経済誌に、これだけの記事が載る。
Important Study Of High Blood Pressure Medicine Retracted
http://www.forbes.com/sites/larryhusten/2013/02/02/european-heart-journal-retracts-main-paper-of-the-kyoto-heart-study/
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ノバルティス ディオバン有力エビデンスを使用中止(日刊薬業 2013年2月6日
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ノバルティス ファーマは5日までに、主力品のARB「ディオバン」(一般名=バルサルタン)に関する日本人を対象とした大規模臨床試験「KYOTO
HEART Study」の結果が発表された2009年の論文について、欧州心臓病学会(ESC)学会誌から撤回が発表されたことを受け、プロモーション資材での使用を中止した。同論文は、ディオバンの有意性を証明する有力なエビデンスとして、同社が情報提供活動で使用していた。
撤回されたのは、ディオバンを非ARBの降圧薬と併用した高血圧症の患者群について、複数の心血管イベントの発症を非ARB降圧薬群と比較した試験に関する論文。09年9月にスペイン・バルセロナで開催されたESCでは、ディオバン群が主要評価項目の「複合心血管イベント」を有意に減少させたとの試験結果が報告された。
しかし、ESC学会誌「European Heart Journal」は今月1日、「致命的な問題が同論文で報告されたいくつかのデータに存在していた」として、09年に掲載された論文の撤回を発表した。問題の詳細は明らかにされていない。
同試験をめぐっては、日本循環器学会も昨年12月末、サブ解析に関する論文に「データ解析に多数の誤りがあることが判明」したとして、同学会の学会誌「Circulation
Journal」からの撤回を発表していた。
●医師主導型試験で資金提供なく
ノバルティスでは、ESC学会誌による論文撤回の発表を受け、即日、ディオバンのプロモーションで同論文の使用を中止。同社の広報担当者によると、同試験は医師主導型試験で、同社からの資金提供はなく、問題の内容も分からないという。
2000年に国内で発売されたディオバンは、11年度に1192億7600万円(薬価ベース、IMSジャパン調べ)を売り上げる同社の主力品。利尿剤との配合剤「コディオ」、アムロジピンとの配合剤「エックスフォージ」も相次いで発売している。14年には単剤に後発医薬品の参入が想定されている。
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