限界を感じている?

記事を読んでみると,ADHDが取り上げられたのは開発が一番進んでいる品目というだけで,うつ病やパーキンソン病など,高次機能が障害される神経疾患全体を対象にした臨床開発を考えているベンチャーのようです.そして驚いたのは,このベンチャーが,すでにPfizer,Shireから出資を受けており,今回さらにMerck KGaAやAmgen子会社ベンチャーファンドからも出資を受けることになったというニュースでした.

医薬品に敵対するという考え方は全くなくて,むしろ医薬品開発の限界を感じた製薬企業が,この種の治療法の臨床開発に関心を持っているということなのでしょうかね.認知行動療法と抗うつ薬のランダム化比較試験は有名ですが,この種の機器は禁煙支援やアルコール依存にも有効性が期待できます.Pfizerもそれを承知で金を出しているんでしょうね.

Web-baseで使えるフリーウェアになってしまう懸念はプログラムの特許でクリアするのかな??でも,機械学習やディープラーニングの技術自体はオープンだから,医薬品と違って,できあがったものを見れば,プログラムを盗まなくても,自分はもっといいものを創ってただで「後発品」を配ってやる.そう考える医者+ゲームクリエーターのチームは続々と出現するんじゃないかと思うのですが・・・
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ADHDを治療するビデオゲームを開発しているAkili社が1190万ドル追加調達 Biotoday 2016-07-21 -
2016年7月20日、ビデオゲームを介した認知疾患の治療や診断法を開発しているAkili Interactive Labsは、シリーズBファイナンスでの1190万ドル追加調達を発表しました。同社はADHD(注意欠如・多動症)を治療するビデオゲームProject: EVOのピボタル試験を実施しており、結果が良好だったらこの製品をFDAに承認申請する予定です。
Akili Adds Amgen Ventures and M Ventures* to Series B Financing, Increasing Round to $42.4 Million / BUSINESS WIRE
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