犬の知恵・ネズミの脳
立花隆が「田中角栄研究」を出した時に、当時の記者の多くは「そんなもの、みんな知っていた」とうそぶいたそうな.(メディアの罠 産学社)
このような負け犬の遠吠えは,次のように両脇からのツッコミにすぐさま突き倒されることに気づいていない滑稽さを表している.犬並の脳みそだとそこまで思い至らないということなのだろう.
●もし知っていたとしたら,隠蔽していたことになる
●もし知らなかったとしたら,嘘をついていることになる
そしてさらに「みんな」という根拠のない同調性で,自分が知らなかったことを「和らげよう」としている.ジャーナリストたるもの,「みんな」なんてどうでもいいことで,自分が知っていたかどうかだけが問題なのに.
そ
れでも当時の記者達は,実際には何も知らなかったから何も書けなかった,つまり恥も書かずに済んだから,まだ幸運だった.ネズミ以上だけれども犬並の脳みそしか持た
ない自分たちには,あれほどまでのものは書けない.そんな謙虚さと恥の意識がどこかにかあったからこそ,「そんなもん、みんな知ってる」という負け犬の遠
吠えが思わず口をついた
し
かし医療事故の場合には違っていた.こんどは犬知恵も失って「みんな」で,「自分は何もかも知っている正義の味方」を自認する「怖いおじさんたち」に,後
で自分たちがどんな目に遭うかも考えずに,のこのこついていってしまった.ハーメルンの笛吹き男についていったネズミのように.
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