パ ターナリズムの裏にあるもの

2006. 6. 12【薬剤溶出ステント検証 第1回】PCI症例に対する適応に大きな施設間格差

より

”薬剤溶出性ステントの適応について,添付文書上では、「血管径2.5mmから3.5mmの冠動脈新規病変(病変長30mm)」と記載されているのみ。だ が、「慢性完全閉塞や分岐部病変への有効性もデータが蓄積されている。添付文書上の適応は単に治験を行った対象を明記しているのみであり、医学的な基準で はない」と話し、メーカーによる添付文書の見直しを求めている。”

この、”メーカーによる添付文書の見直し”という、薬事法違反を奨励する噴飯物のコメントに、却って興味を惹かれた。なぜって、規制当局によるパターナリ ズムを無意識のうちに求めているからだ。

自分の価値判断に自信があるなら、自らのリスクで適応外使用を推進するはずなのに、自信がないので、お上(彼にとっては”メーカー”だが,メーカーは薬事 法に違反するわけにいかないので,できない)のお墨付きを求めているのだ。

この循環器センター部長さんとやらは,年だけ取って、自分がやっている治療のリスク・ベネフィットの判断が自分でできない,いつまでもおむつがはずれない ガキだと自ら認めていることに気づいていない.”世界標準の薬・機器を承認しない頑迷なPMDA,厚労省”という陳腐なスローガンの根底には、常に、この ようなお上にすがる未成熟な意識がある。

こういうおじさんは、研修医に対しても、自らの経験だけを元にパターナリスティックに振る舞うのでしょうね。パターナリズムは自信のなさの裏返しというわ けだ.

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