フィ
リピンで生きる
今日、臨床医のちょっとした集まりがあって、国際共同治験の推進が話題になった。
ドラッグラグの解消→国際共同治験、Asian
studyの推進→国内治験空洞化の更なる進行→日本のフィリピン化(FDAの承認をそのまま受け入れ、日本の規制当局は市販後の安全体制をもっぱら
チェックするだけ)。マーケットの大きさから言って、アジアは中国が主導権を握る(*)。TOEICに代えて中国語講座にしたらどうかって提案してみる
か・・)
この流れはほぼ決まりという結論で一致した。領域によっては、未承認薬問題のプレッシャーが物凄く、もうすでにフィリピン状態となっている。
なのに、先日、ある相談で、よりによって薬事の人が、それも私に向かって、”機構は国際共同治験をどう考えているのか”なんて、駆け出しの新聞記者みた
いな能天気な質問をしたもんだから、”理事長も、製薬協も、国際共同治験促進って、旗はしっかり立ててるのはご存じの通り。その旗を掲げて邁進すれば、世
界は一家、人類はみな兄弟ってことになって、グローバルスタンダードの新薬をローカルルールで邪魔をする規制当局は要らなくなるし、その相手をする日本の
子会社も要らなくなります”って言ってやったら、一同、沈痛な面持ちを見せるどころか、なぜか屈託のない笑い声が・・・
オイオイ、あんたがたのこと心配してやってるんだぜ。決して笑いを取るつもりじゃなく、巷で言われている当然の懸念を言っただけだよ。それも、5年も10
年も先の事じゃないんだ。あたしの心配(?)が現実になるのにあと2-3年もかからないことは、点数の高い国際共同治験の相談でばんばん相談枠をとってい
るあんたがたが一番よくわかっているはずじゃなかったのかい?
*ST上昇型急性心筋梗塞(AMI)患者においてclopidogrelのaspirinへの上乗せ効果,metoprololの早期投与による標準治療
への上乗せ効果を検討する4万6000人規模の
試験をやっているのは中国。
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