おとり調査

さて,我が国では如何に.

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 おとり調査でいんちきIRBとHHSのIRB審査のいい加減さが露呈した
BioToday.com 2009-03-30 -
http://www.biotoday.com/view.cfm?n=32796

ヒト臨床試験の実施に際して、製薬・医療機器会社は病院や大学研究機関と共にその試験の方法や安全性を監視する独立治験審査委員会(IRB)を持たなければなりません。IRBに認可された試験を実施しなければ米国FDA(米国食品医薬品局)の製品販売承認を得ることはできません。米国にはおよそ6350のIRBが米国保健社会福祉省(HHS)登録されていますが、米国議員はこれらのIRBが事務的に臨床試験を承認していはいまいかと懸念しています。

そこで、IRB規制を強化する法案作成を検討しているHouse Energy and Commerce委員会は架空の会社・Device
Med-Systemsによる偽の製品・Adhesiabloc(surgical adhesive
gel)の臨床試験開始承認を3つの営利目的IRBに申請してみました。この試験では、女性の手術後の腹に1リットルもの架空製品を注ぎ込むことが手順の一つとなっています。

この結果、2つのIRB・Argus IRBとFox
IRBは未解決の安全性の懸念によりAdhesiablocの臨床試験を却下しました。一つのIRBの社員はこの試験を「ごみ」と言い、もう一つのIRBのメンバーは「これまで審査した中で最もリスクが高い試験」と言いました。

一方、3つめのIRB・Coast
IRBはAdhesiablocの臨床試験開始を満場一致で承認してしまいました。しかも上記2つのIRBとは対照的にプロトコールは「非常に安全」と判断しました。

同委員会の懸念はIRBの品質だけに留まらず、IRBの登録をしているHHSにも向けられています。

同委員会は偽のIRBをつくり、このIRBをHHSに登録してみました。このIRBのメンバーにはおかしな名前が連ねてあり、HHSに変さをアピールしていたのですが、HHSはこの架空IRBを認可してしまいました。

木曜日に開催された聴聞会において委員会の議員の1人はHHSに対して以下の質問をしました。「違反を感じ取れる能力がないのではないか?」「Coast
IRB社のような詐欺会社の登録取り消しのためにどんな手順がとられているのか?」

この聴聞会においてHHSのディレクター・Jerry
Menikoff氏は、Coast社についての情報は最近耳にしたばかりであり、この問題の取り扱いについては検討していくと回答しました。
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