申請までの気の遠くなるような開発の苦労について,あなたは山ほど話したいだろうが,そんなことをしていたら日が暮れてしまうから,ここでは触れない.これから手短に話すのは,例によって申請,承認審査である.
初回面談が終わってから,あれだけ時間をかけて,照会事項のやりとりをさんざんやって,専門協議やって,部会にかけて,分科会審議をして,薬価収載に漕ぎつける.
その膨大な時間と手間は一体何のためなのだろうか?薬事法に基づき,厚生労働大臣が承認する,すなわち審査の最も重要なアウトカムは,効能・効果と,用法・用量である.企業が申請する効能・効果と,用法・用量が,承認時にどう変わっているかが,審査のアウトカム評価になるわけだが,そういう観点でPMDAの審査が評価されているだろうか?
同じ薬で,企業が申請した効能・効果,用法・用量と,PMDAの承認内容と,FDAの承認内容のどこが同じで,どこが違うのか,それはなぜか?PMDAは,治験相談時に内外差をしきりに強調するが,PMDAとFDAの判断の差が,果たしてどんな内外差に基づいているのか?
申請効能・効果,用法・用量と,PMDAの承認内容が異なれば異なるほど,申請から承認まで時間がかかるのか?必ずしもそうではないのか?みんな知りたいことが一杯詰まっているこんな研究,誰かやってみませんか?