OTCの効能・効果

「中年期以降の物忘れの改善」って,それ,「暗示」なんてもんじゃないでしょうよ.そんな豪快な効能・効果だったら,そりゃあ,「呆けが治る」って誰でも思いまっせ.今回,初めて知りましたが,OTCの効能・効果って,麻対課マターなんですねえ.でも,どういうポジションであれ,審査管理課を経験している人がほとんどでしょうから,こんな豪快な効能・効果だと,結構な騒ぎになるんじゃないかって,予想できそうなものですが・・・
------------------------------------------------------------------------------
オンジ製剤、暗示広告は撲滅を  厚科審・制度部会で委員ら  物忘れ改善の一般用医薬品 日刊薬業 2017/11/16

厚生労働省が15日に開いた厚生科学審議会の医薬品医療機器制度部会では、生薬「オンジ(遠志)」のエキスを用いた一般用医薬品について、複数の委員から承認範囲を超えた効能・効果を暗示する広告を撲滅するよう求める意見が出た。今年4月以降に国内5社が相次いで承認を得て販売する計5製品は全て効能・効果が「中年期以降の物忘れの改善」だが、広告には「記憶機能の活性化」や「すでに忘れてしまった記憶を蘇らせる」などの表現・イメージがあったという。

 承認の範囲を超えた効能・効果を暗示するような広告を確認した厚労省は10月31日付で事務連絡を都道府県などに出し、暗示を慎むなどの改善指導を求めた。認知症の治療・予防の薬ではない旨の明確化も求めている。ただ、同日正午ごろの時点でも改善が見られない広告があった。

 オンジ製剤の5製品は販売開始の順に▽ロート製薬の「キオグッド顆粒」(今年4月)
▽小林製薬の「ワスノン」(同6月)▽シオノギヘルスケアの「シオノギオンジ顆粒」(同6月)▽クラシエ製薬の「アレデル顆粒」(同7月)▽大正製薬の「メモリーケア」(同10月)。

 日本医師会副会長の中川俊男委員は「医療現場では『記憶が良くなる薬が薬局で買えるらしいが本当に効くのか』などの問い合わせが多数あり、患者は混同している」と述べ、「放置していいのか」と質問。また、誤解が生じかねない名称を承認した理由も聞いた。読売新聞社の本田麻由美委員は、中川委員に同意した上で「物忘れに効くとなれば一般の多くの方に響き、何でも使いたくなる。全て広告をギチギチにとは思っていないが、(適切な在り方を)どのようにチェックするのか考え直してほしい」と求めた。(後略)
------------------------------------------------------------------------------
目次へ戻る