がん遺伝子パネル検査

いよいよですなあ.値段はどうなる?現場ではどういう使われ方をする?ALK融合遺伝子のように,既知の遺伝子変異に関連する新有効成分医薬品を今後開発する場合は,新たにコンパニオン診断を同時開発せずとも,FoundationOneのような既存のパネル検査を使って開発を進めれば,承認申請できるのか?わからないことだらけで,置いてきぼり感が強くなるばかり.平成は遠くなりにけり.
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がん遺伝子パネル検査2品、部会を通過厚労省・薬食審 日刊薬業 2018/12/13 19:58 
厚生労働省医薬・生活衛生局は13日に薬事・食品衛生審議会医療機器・体外診断薬部会を開き、多遺伝子パネル検査システム2品目の承認を了承した。部会を通過したのは、シスメックスの「OncoGuide NCC オンコパネル システム」と、中外製薬の「FoundationOne CDx がんゲノムプロファイル」。共に医療機器の分類はクラスIII。承認時期は通常、部会終了後1カ月以内になるケースが多い。承認されれば国内初のがん遺伝子パネル検査となる。

解析できる固形がん関連遺伝子の数は、シスメックスのOncoGuideが114なのに対し、中外製薬のFoundationOneは324。対象の遺伝子数に差はあるものの、厚労省は「患者に届けられる薬の種類はほぼ同じ」とし、検査の性能についても「両方とも問題ない」としている。OncoGuideは先駆け審査の対象に指定されている。

検査対象患者には「標準治療後の固形がん」という縛りが付いた。がん遺伝子パネル検査を受けられる患者は限られる見込みだ。国内初のがん遺伝子パネル検査のため承認条件も付いた。検査できるがん種は、がん関連学会の最新診療ガイドラインなどで決まる。希少がんや小児がん、原発不明がんにも使えるという。

同検査を行える医療機関は、全国11カ所のがんゲノム医療中核拠点病院と、その連携病院135施設。合計146施設に限定する。検査を行えるのは、がんゲノム医療の知識と経験を十分に持った医師のみ。もし同検査によって疾患関連遺伝子が見つかった場合には、遺伝子カウンセラーなどによるインフォームドコンセントをしっかりと行った上で検査に入る。

また中外製薬のFoundationOneの方は、パネル検査以外に、がんのコンパニオン診断にも利用可能。検出できるがん種と遺伝子変異(関連する医薬品)は次の通り。▽非小細胞肺がん=EGFRエクソン19欠失変異およびエクソン21L858R変異(アファチニブマレイン酸塩、エルロチニブ塩酸塩、ゲフィチニブ、オシメルチニブメシル酸塩)、EGFRエクソン20T790M変異(オシメルチニブメシル酸塩)、ALK融合遺伝子(アレクチニブ塩酸塩、クリゾチニブ、セリチニブ)▽悪性黒色腫=BRAFV600EおよびV600K変異(ダブラフェニブメシル酸塩、トラメチニブ ジメチルスルホキシド付加物、ベムラフェニブ)▽乳がん=ERBB2コピー数異常(HER2遺伝子増幅陽性)(トラスツズマブ〈遺伝子組換え〉)▽結腸・直腸がん=KRAS/NRAS野生型(セツキシマブ〈遺伝子組換え〉、パニツムマブ〈遺伝子組換え〉)。コンパニオン診断薬としては既存品が既にあるため、FoundationOneは後発に当たる。
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