今は昔のスローガン

昔 と言っても一昔未満の話です。「世界は一家。人類は皆兄弟」という爽やかなスローガンの下で、「国際共同治験を推進し、ドラッグ・ラグを撲滅しよう!国民運動」が、大政翼賛的に展開され、多大な成果を上げたのは、関係者の皆様の記憶に新しいところ のはずなのですが、もはや、この爽やかなスローガンを振り返ろうとする人はおらず、鹿鳴館同様の運命を辿ろうとしています。

FDAを賞賛する人々がNICEの陰口を叩く(=心の中で口汚く罵る)"double standard"の原因は、まさか、”お高く止まったQueens Englishが嫌い”というわけでもありますまい。

医薬品・医療機器の開発・承認審査の段階で「人種差」が乗り越えられるのならば、その後の過程であるHealth Technology Assessmentで「人種差」が乗り越えられないはずがありません。

「FDAの承認をそのまま受け入れればいいじゃないか」と言う人が、「NICEのガイダンスをそのまま受け入れればいいじゃないか」 と言えないのはどういう理由によるのでしょうか?

There is growing evidence that NICE guidance is also referred to by other countries, often because of the perceived robust methodology of their review process and also because their guidance can be available before a drug has gained approval in another country. NICE is commissioned to do work on behalf of other countries under the auspices of NICE International (see www.nice.org.uk).

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