日本最悪の無医地区

それは言わずと知れた検察庁村と裁判所村である。ここの村民と対話をしようとして、「俺たちの村に波風立てる藪医者」と公文書で日本全国に指名手配されて、どうしたものかと途方に暮れていると、地域医療の大先輩がご助言をくださった。元院長に聞く 沢内の医療が崩壊した理由 下記はそこからの抜粋である。
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 もちろん、医者の側に問題があることもあります。医者は本当にそこに住む人たちが健康に長生きしてもらうために行ったのか。あるいは自分の夢を実現するために行ったのか──。地域のためでなく自分の自己実現のためだとしたら、それは本末転倒です。

  かつて、沢内病院に若い医師が研修に来たことがあります。その後、ある山村に「第二の沢内を目指す」と言って意気込んで赴任していきました。しばらくする と「田舎は嫌いだ。地域医療なんてくそくらえ」という葉書が届いたのです。最初は村人たちも大歓迎だったが、段々と役場も自分のやることに抵抗し始めた と。その医者は「村はやる気がない」「住民はダメだ」と文句ばかりを言うようになり、結局は夢破れて村を去りました。

 医者が頑張るのも 分かるし、頑張りと地域がズレるものよく分かります。でも、田舎はそれほど生易しいものではないし、そこに住む住民はしたたかです。医者が理想を掲げて も、それだけでうまくいくはずがありません。僕が沢内で36年間も持ったのは、相手に敏感に反応しすぎない「鈍感」さを持っていたからかもしれません。
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