世界をリードする製薬医学教育

審査報告書を読めない医者に限って、PMDAの審査がどうの厚労省の承認がどうのと文句を言う。審査報告書を読めない医者に限って、現場を知らないPMDA・厚労省と言う。審査報告書を読めない医者に限って、薬のことは自分が一番よく知っていると思い込んでいる。審査報告書を読めない医者に限って、話題の新薬の情報をMRから聞きたがる。

だから、そういう医者には、MRが審査報告書を解説してあげればよろしい。審査報告書は、その薬に関する、利益相反問題ゼロの、第一級の教材である。FDAは素晴らしく、PMDAは愚か者集団であるという鹿鳴館主義のお医者様には、FDAの審査報告書を差し上げればよろしい。さぞかし英語がお得意なのだろうから、解説して差し上げる必要はない。

審査報告書は、その薬に関する、利益相反問題ゼロの、第一級の教材である。MRの使命が、偏りのない情報提供ならば、MRの教育では審査報告書を読み見込むことが最優先課題になるはずだが、果たしてそういう教育が地球上のどこかで行われているだろうか?

わが国とアメリカの医学教育を比較して云々、アメリカは利益相反問題に厳しいという鹿鳴館論調もまたしばしば耳にするが、こと、薬の教育に関して、学会のランチョンで、どこぞの偉い先生が企業主導治験の解説をすることはあっても、FDAの審査報告書の勉強会が行われたという話は寡聞にして知らない。だから製薬医学の教育で日本がアメリカを出し抜くのは簡単なことだ。

逆に、MRが審査報告書を読むようにならなければ、私の経歴を聞いてPMDAがアメリカの医科大学の略称だと思い込むMRがこの世から消えることはないだろうし、日本の医者はいつまで経っても鹿鳴館主義の呪縛から逃れられないだろう。

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