蚊に刺されやすい所得層

蚊に最も刺されやすいのは中間所得層?ボルチモア5地域で蚊2万匹の胃の内容物を分析
『蚊に刺される確率は地域の所得水準によって異なる可能性があることが、米ケアリー生態系研究所のShannonLaDeau氏らによる研究から明らかに なった。この研究では、最も蚊に刺されやすい地域は中間所得者が多く住む地域であることが示唆されたという。詳細は「Parasites& Vectors」4月10日オンライン版に掲載された。』

元論文は
Primary blood-hosts of mosquitoes are influenced by social and ecological conditions in a complex urban landscape. Parasites & Vectors201811:218

一口に「交絡因子」といっても、アウトカムとの「距離」は様々である。アウトカムが咽頭癌の発生の場合、飲酒・喫煙はお互いに交絡因子であり、アウトカムに対する「距離」も極めて近い。それに対し、アウトカムが桶屋の収益の場合、風との間の「距離」は無限大である。つまり交絡因子とは到底考えられない。(それ以前に、そもそもネズミは桶を囓るのか?という疑問が解決されていない)。そのような観点から考えると、この、BMJのChristmas issueを意識したかのような論文は、交絡因子を考えるための格好の教材になる。

目次へ戻る