船 月に登る?

下記は日刊薬業の一日違いの記事です.何でも「改革」するのはいいことだという思考停止に基づいて○○懇談会,××審議会,△△委員会を乱立させた結果がこれです.一体全体何をどうするつもりなのか?そんなこと,誰も責任を持って考えていないからそうなるんですけどね.何か面倒なことが起きたら,とにかく○○懇談会,××審議会,△△委員会をでっち上げればいいと考えるから,こういうことになる.

A案・B案ですったもんだしている上に,さらに第三者機関??.それだけでも迷走に次ぐ迷走なのに,別の懇談会では,審査の「一元的組織」??.それとは全く別に,二つの異なる医薬品庁構想ってのは立ち消えになったから,もう心配する必要ない??

国を憂う方々がたくさんいらっしゃると,船が山に登るどころか,月まで行ってしまいかねない勢いですなあ.

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薬害肝炎検討委  「監視・評価の第三者機関」を提言へ( 2009年3月30日 )
厚生労働省の「薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会」(座長=寺野彰・獨協医科大学長)は30日、これまでの議論をまとめた提言案を前回に引き続き議論。医薬品行政を監視・評価する第三者機関の新設を盛り込む方向となった。今後、寺野座長と事務局で文言を調整・修正して、提言内に明記する。また、前回議論となった適応外使用についての文言は両論併記の状態から整理された。

提言案は、前回の18日に提示された案から、さらに調整したもの。「医薬品行政の評価機能等について」という項目名で、「医薬品行政の評価機能については当面、米FDA(食品医薬品局)のオンブズマン部を例に、評価部門を内部に設置することを進める」と記載されていた。

しかし、水口真寿美委員(薬害オンブズパースン会議事務局長)が「第三者監視組織の設置の必要性についてはコンセンサスが得られている」として修正案を提示。項目名を「医薬品行政の監視・評価機関について」と変更した上で、総務省、財務省、独立行政法人評価委員会や医薬品医療機器総合機構運営評議会による評価機能には限界があるとの判断から、新たに第三者性を有する機関を設置するよう求めた。設置する機関は、行政に対する提言・勧告権限や調査権限を有し、国民からの苦情処理にも対応する。委員の間から異論は出なかった。

適応外使用については前回の案で、治験審査委員会を通しての客観的な使用手続きを求める意見と、医師の裁量権を尊重すべきだとの意見の両論を併記。しかし前回会合では、薬害被害者側の委員と医療機関側の委員との間で議論はまとまらなかった。

このため今回の案では、「個々の医師のみの判断によって実施されるのではなく、医療機関や学会などにおける客観的で適正な判断に基づき実施されるべき」としつつ、「国内外の学会が作成したガイドラインがあるものなど、一定のエビデンスや使用経験を有する適応外使用については対応可能」とあらためた。

提言案ではこのほか、行政組織の在り方について▽承認審査、安全対策などの業務を厚労省医薬食品局が一括して行い、審議会が大臣へ答申する「A案」▽これらの業務を医薬品医療機器総合機構が一括して行い、総合機構が大臣へ答申する「B案」――の2案を提示。委員から異論は出なかった。

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厚労行政在り方懇  審査の「一元的組織」検討を( 2009年3月31日 )
厚生労働行政の在り方に関する懇談会(座長=奥田碩・トヨタ自動車相談役)は30日、最終報告を取りまとめた。医薬品などの審査・安全対策の強化に向け、厚労省と医薬品医療機器総合機構の業務について「一元的な組織体制も視野に入れて検討すべき」としている。

報告書では、薬害再発防止と承認審査の迅速化の要請があることを踏まえ、現在の平均4年かかっている承認期間を1年半に短縮する目標を「早期に達成できるよう体制を強化すべき」とし、専門知識を持つ人員の計画的増員や、厚労省と医薬品医療機器総合機構の業務について「一元的な組織体制も視野に入れて検討を進めるべき」と提言した。

報告書は昨年12月に公表した行政運営の在り方に関する中間報告に、その後の検討課題となっていた行政組織・体制の在り方に関する提言を追加した内容となっている。厚労省の組織の在り方の基本的視点として、▽意思決定から運営・管理までを適切に行うシステム(ガバナンス)の強化▽現下の新しい政策課題に的確に取り組むことができるようにする体制▽既存組織の活用などによる組織の肥大化の防止▽政府全体としての行政効率化の一層の推進と各府省への配分の見直しなど―を据えた。具体的な提言として、大臣が主宰する「政策推進会議」の設置や補佐スタッフの充実、政策統括官組織の強化、プロジェクトチームや対策本部の活用などを挙げている。

厚労省は、行政運営に関する提言をまとめた中間報告を受けて、改革の工程表を公表し、具体化に向けた取り組みに着手している。今後は最終報告に盛られた内容を工程表に追記するとしている。
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