改革という名のビジネスチャンス

ーあるいは,ギャンブル,汝の名は保険ー

私のような下司は,総合規制改革会議のメンバー(議長が宮内義彦オリックス会長,議長代理が飯田 亮 セコム株式会社取締役最高顧問)を見ていると,医療改革即ちビジネスチャンスではないかと勘ぐってしまう.

2001/7/23日付けのNikkei Netマネー&マーケット特集:医療保険には,こんな文句が並んでいた.

”高齢者医療費、昨年度7%減どまり、想定より1兆円増・厚労省まとめ”という見出しのそのすぐ下に,

”最新の医療データを反映させ、割安な保険料を実現!!≪オリックス総合医療≫”

”セコム損保、がん治療費を全額負担”

これでも,総合規制改革会議は,医療ビジネスの企画会議ではないと断言できるのは,よほどお育ちのいい方だろう.役人がこういう利益誘導をやると,やれ,民業圧迫だ,天下りだと言われるが,こういう我田引水はどんなに露骨にやってもいいのね.

要するに,どちらの会社もやっている,自動車保険のノリで,人の弱みにつけ込んで,金をせしめようということだ.これは過激な表現ではない.保険というのは,本来ギャンブルの性質を持ったものなのだ.普通のギャンブルと違うところは,財産を殖やそうとするのか,(命や)財産の損失を防ぐのかという,正負の方向性だけだ.

ギャンブルだから,運悪く掛け金が払えなくなったり元手(命)がすり減ることは,当然ある.結果として,すってんてんになって賭場ならぬこの世から退場を命じられる悲劇(最近は”痛み”と婉曲に表現するのが流行のようだが)については,車両保険で解説申し上げた通り.

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