リテラシー格差

大切なことほど後になってわかるものです。血友病HIV/AIDS問題イレッサ北陵クリニック事件バルサルタン問題・・・・マスメディアが大騒ぎしてきた問題は、(裁判によってではなく)時間という名の最強の審判員によって、何年も経ってから、本当の意味での真相究明がなされます。しかし、その時にはマスメディアは、かつては大騒ぎし、今は自分たちにとってひどく都合が悪くなった「事件」について「報道しない自由」を謳歌する一方で、次々と新しいデマを垂れ流します。メディアリテラシーの根本はここにあります。それは決してむずかしいことではありません。「バカな奴らは昔のことなどすぐに忘れてしまうから」と高をくくってデマを垂れ流し続ける正義のジャーナリスト達から無限大の距離を置けばいいだけです。

このようにしてメディアリテラシーを身につければ、正義のジャーナリスト達に「報道発表」「リーク」という名の餌付けをする警察・検察、そしてその警察や検察のおかげで商売ができる裁判所といった最強国家権力がばらまく幻影から解放され、裁判真理教から離脱し、市民としての当事者意識に基づいた最強国家権力の批判的吟味ができるようになります。最強国家権力に媚びへつらうしか能の無い正義のジャーナリスト達に依存しない、警察・検察・裁判所の批判的吟味。これが法的リテラシーです。

メディアリテラシーと法的リテラシーは、共に極めて大切な人生のリスクマネジメントツールです。しかし、偏差値の高い大学の有名教授による講義でも、超大 国に本拠地があるビジネススクールでも教えてもらえません。(ったく、あいつら偉そうな顔をして肝心要のことを教えられないんだから) かといって、市民 に手の届かないところにあるわけでもありません。メディアリテラシーにせよ、法的リテラシーにせよ、むしろ、我々の日常生活の中に、山のような教材が揃っ ているのです。そこに気づくか、あるいは正義のジャーナリスト達による報道に全面的に依存して「政治家は腐っている」「バカなマスコミ」「あいつを裁判で 吊せ!」と繰り返すだけの暇潰しで一生を終えるかは各人のご自由です。

一般市民としての医師と法