田舎者達

記事を読み比べてもらえばわかると思いますが、暢気な赤ずきんちゃんのような内資の姿勢です。今更医者なんかに遠慮していてどうするのでしょう。グローバル展開だの、国際共同治験だの喚いていても、肝心要のところが、田舎者丸出しです。

全て公開してしまえば、自動的に特ダネが無くなり、特ダネを糧とする総会屋気取りのハイエナ達は寄ってきません。逆に隠そうとすればするほど、彼らは興味を示します。ガイドライン・コンプライアンスを盾に全面公開してしまえばいいだけなのに、そんなこともわからないようでは、経営者を名乗る資格はありません。

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透明性GL 個人情報公開で、医師に「配慮」(Risfax digest 2012/8/8)
製薬協加盟社 大手動向を静観、第一三共「詳細は希望者のみに」

 日本製薬工業協会が策定した「企業活動と医療機関等の関係の透明性ガイドライン」が4月に施行され、加盟各社は医療従事者に理解を求めている。ガイドラインでは原則、資金提供に関する情報を13年度からホームページなどを通じて公開する決まりだが、誤解や憶測を呼ぶことも充分予想されるため、業界内でも抵抗や懸念は根強い。公開は医師の同意が前提だが、「個人情報」であることに変わりはなく、公開方法などに関して製薬協加盟各社は侃々諤々となっているようだ。
 透明性ガイドラインの公開対象は、「研究開発費」「学術研究助成費」「原稿執筆料等」「情報提供関連費」「その他の費用」(社会的儀礼の費用)。講師謝礼金や原稿料・監修料、コンサルティング料などを含む「原稿執筆料等」は個人名も対象で、「○○大学(○○病院)○○科○○教授:○○件○○円」という具合だ。個人情報を含むためメーカーや医師の間では後ろ向きな意見が多く、日本医師会は、いわれなき誹謗・中傷などから会員を守る目的で「COI(利益相反)指針検討委員会」を設置した。
 製薬協加盟各社も、公開方法を思案し始めた。第一三共はHPで「原稿執筆料等」の公開について説明、「公開後、詳細な情報の閲覧を希望される方は、当社の指定する場所、時間帯での閲覧が可能となります」と注意書きを加えている。報酬額や医療機関、個人名まで載せるが、「件数」は希望者のみに公開する対応をとる予定だ。
 なぜ「件数」は希望者だけに開示する方式をとるのか。第一三共は「製薬協のガイドラインに則っている」と説明する。他社からは「例えば、あまりにも依頼件数が多いと『何でこの先生にこんなに頼んでいるのか。お抱え?』と思われてしまう可能性もある」と、「件数」公開には一定の配慮が必要との指摘もある。また、個々の医師に支払う1件あたりの報酬の「相場」を、HPで無条件に不特定多数に曝け出すことを避けるという、思惑も透ける。
 国内中堅関係者は、第一三共のように「詳細を知りたければ会社で閲覧してもらうなど、我われもその方向にいくのではないか」と語る。また、複数の企業関係者は「個人名などの個人情報は希望者に別途、紙で開示する」と2段階での開示案を明かす。医師の嫌う個人情報を「我われ1社だけがHPで公開して火の粉を被ってしまうことは、なるべく避けたい」(国内中堅関係者)のが本音で、公開方法について「国内大手の動向を見守る」としばらくは静観する構えだ。
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ファイザー・豊沢氏 販促費用、MR規制強化で「劇的な減少」(Risfax 2012/8/31)
 ファイザーの豊沢泰人経営政策管理本部長は30日、ユートブレーン主催のセミナーで「コンプライアンス強化とMR」をテーマに講演した。「透明性ガイドライン」「接待規制」が4月に施行され、ファイザーとしても「経理でシステムをつくって金額チェックを行っているが、幸い劇的に使用金額(販促費用)が減っている。うちは真面目」と状況を説明した。MR活動は人間関係重視の風潮が「弱くなる。日本も米国と同じようにMRの労働スタイルが変わる」とした。
 また、「透明性ガイドライン」で企業が資金提供情報を公開することについては、米国本社の事例を踏まえ「しばらくすれば医師も慣れる」と語った。米国でも09年に情報開示に取り組んだ当初は、医師からランチ会議拒否などの反発を受けたと紹介。しかし、医師の大半は「みんなが開示するならいい」と意識が変わると指摘し、日本でも米国と同じ傾向を示すだろうと予測した。ただ、導入意義の啓発など「最初が重要」と強調した。
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企業主催説明会「拒否」の米報告書礼讃 (Risfax 2012/8/31)
医学教育学会 医学団体にも芽生える透明性GL作成の「兆し」

 日本の医学学術団体に、製薬業界との利益相反を組織的に律しようという動きが出てきた。医科大学や地域基幹病院220施設が加盟する日本医学教育学会が、米国医科大学協会(AAMC)の報告書『医療関連企業による医学教育への資金提供』を邦訳し、ホームページに掲載。国内での本格論議を求めたほか、「このような報告書が我が国でも発表されることを、次の到達目標にしたい」と、ガイドラインづくりに前傾姿勢を見せている。
 AAMCの報告書は、利益相反を未然に防ぐため、製薬企業や医療機器企業との関係を厳しく律している。08年6月に公表され、医学団体側のガイドラインとして米国で定着しているが、製薬業界には「納得できない」と反発する声もある。とくに衝撃的なのは、医師を対象にした勉強会や説明会の開催について、生涯教育認定機構(ACCME)の事前認定を絶対条件としている点だ。
 さらに「学究的医療機関は、教員に対して企業が主催・後援する講演者斡旋団体には参加しないよう強く要請すべき」との一文を設け、キードクターの名を冠にした企業主催の製品説明会などへの参加を事実上禁じている。報告書の作業部会に、製薬業界代表として参加していたファイザー、イーライリリー、アムジェンの3委員が「この項目には同意できない」と強く反対したが受け入れられず、最終的には3委員の反対表明文を「付録」として末尾に添えたうえで、公表された。
 報告書はMRの施設、医師訪問にも言及。「患者、診療区域、および業務スケジュールを保護するため(略)診療区域と公共区域を避け、面会予約を得た場合、もしくは医師からの要請があった場合にのみ限定すべき」と強調。また、製品の説明会は、あくまでも施設側が主催し、企業の担当者を招待する形にするよう要請、「交流と批判的評価の機会とすべき」としている。さらに企業側の説明者は「高度な訓練を受けた臨床医、臨床薬剤師あるいは薬学博士の学位を有する人が適任」と注文をつけている。新製品の情報収集提供手段については、医学界と産業界が共同して、IT技術を駆使した新たなシステム開発に取り組む必要性を強調、仮に新システムが構築されれば「現行の方法を補完ないし代替する手段になるだろう」と予測している。
 日本医学教育学会は邦訳した報告書の前文で、国内製薬業界の透明性ガイドライン作成を「評価に値する」とする一方、「医学学術団体からは(ガイドラインが)発表されていないばかりか、その議論もほとんどなされていない」とし、米報告書を参考に、本格論議とガイドラインづくりの必要性を訴えている。

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