国際共同治験の意義
> 国際共同治験をやる意義ってなんなのでしょう?
国内治験ではできないことがあるから,膨大な手間隙と金がかかってもやむなくやっている.では,なぜ,”やむなく”やっているか?治験をやる本体の企業側
に言わせれば,規制当局が結果を出せと言うから”やむなく”なんだろう.”やらせる”側の規制当局に言わせれば,例によって,”人の命を担保にして金儲け
するんなら,どんなに金と手間暇かけても,イカサマでないことを証明しろ”ってこと.
ジェンナーや華岡青洲みたいに一例だけで有効性を示せばよかった牧歌的な時代から,パイプラインが枯渇するにつれて,NNTが3桁の後半に突入するような
ろくでもない代物でも何とか商品にしなければならなくなり(各時代に生まれた代表的な薬剤のNNTの変遷なんて面白いかもしれない),有効性・安全性の検
証にどんどん手間隙がかかるようになって,ついには世界大戦よりも多くの国々が参加する物騒な時代になったってことでしょ.その時代においてきぼりになる
と,”ドラッグラグ”って,またぞろ国民の皆様が騒ぐし,商品も生まれないんで,企業も,企業から仕事をもらっている機構も,たとえ100/5000でも
いいから,無理やり,この指とまれ→おしくらまんじゅうに参加する.それが国際共同治験の意義なんでしょう.
”大規模試験というのは,大規模じゃないと結果が出ないから大規模になっちゃってるんですね”(名郷直樹)
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