でっち上げ対照比較自己劣性試験

この試験の目的は、自分があらゆる点で他人より劣っていると主張することです。この試験デザインの素晴らしいところは、極めて効率的に、ほぼ100%、自己劣性を証明できることです。その秘密は対照の設定にあります。やたらと自分が劣っているというデータが出てくるこの極めて怪しげな比較試験の対照はどのように決まるのか?ご存知ない?これはまた異なことを。あなたがしょっちゅうやっている試験ですよ。

この自己劣性試験の比較対照は、実在の人物ではありません。その比較対照とは、自分ででっち上げた架空の天才です。それは、自分が知っている限りの人物から、その人物のとっておきの才能だけを切り取って作った貼り絵に過ぎません。評価項目毎に違った対照をいいとこ取りで持ってきて比較する!これなら自分が劣っているというエビデンスは確実に取れるというわけです。

そうです、このでっち上げ対照比較自己劣性試験は、謙遜と呼ばれる、自分の評価を貶める悪癖です。この試験を徹底的に使って、自分を惨めな気持ちにして、自己を攻撃し、うつ状態を維持、発展させている。そんなことがあなたの頭の中で起こっていませんか?

ですから,”反省”という言葉が頭をよぎった時は要注意です.負の側面ばかりに注目して,それまでの実績やこれから伸びていく部分を無視したり,否定したりしてしまうからです.要は,”悪かった,反省します”で思考停止に陥るのではなく,失敗から学んだことを,これから伸びていく部分にどうやって生かしていくか

ちなみに、謙遜の手法の裏を返せば、そのまま他人を攻撃するための極めて効果的な手法となります。なんたって一番大切なはずの、最優先で防御すべき自分への攻撃法なのですから。そうやって、自分はこんなに一生懸命やっているのに、少しも評価してもらえない(=自分を評価しない周囲が間違っている)と、周囲を攻撃しまくっていませんか?

自分の頭の中で何が起こっているか、すべてそれがわかっていると考えるのは、思い上がりです。その証拠に、こんなでっち上げ試験のからくりさえ見抜けなかったじゃないですか。最大で最後の暗黒大陸は自分の頭の中です。その暗黒大陸を探検する方位磁石が認知行動療法なのです。

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