日本人は馬鹿ではない。馬鹿ではないのに、なぜ、患者団体が育たないのか?「リーダーシップを取れるような人材の不足」という言葉が示唆的である。
お上に夢の新薬を承認していただこう。その夢の新薬で悪いことが起こったら、その夢の新薬を悪魔の薬にしてお上を叩けばいい。
患者様の団体様がそう考え、行動している限り、患者団体は育たない。自分達が必要とする薬の有効性・安全性の吟味に自分達も加わる。そんな覚悟を持たない限り、患者団体は、いつまでたっても、お上のお慈悲にすがる惨めな病人の寄せ集めのままに留まるだろう。
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中外製薬セミナー ( 日刊薬業 2009年5月8日 )
欧州のがん患者組織について説明する医療コンサルタントのジーン・モスマン氏
中外製薬は8日、がん患者会活動の方向性をテーマにしたメディアセミナーを開催した。田中明生オンコロジーユニット長はあいさつで、「(当社は)革新的な医薬品と情報の継続的な提供によってがん医療の向上を目指しているが、患者抜きにはがん治療の向上や進展は起こり得ない」とし、がん領域のリーディング企業として、今後も患者中心の医療提供に注力していく姿勢を示した。
セミナーでは、英国で医療コンサルタントを行っているジーン・モスマン氏が欧州のがん患者会の現況を紹介した。それによると欧州では、医療面、精神面、社会面のサポートをがん患者やその家族に直接提供することを目的とした患者団体から、保険償還や研究資金の調達、さらには法律上の問題に対して議会や規制当局に影響力を持つアドボカシー(政策提言)活動を主体とするものへと発展した患者団体も多数存在する。患者の意見が重要視され、欧州医薬品審査庁(EMEA)の患者・消費者委員会では、患者団体のリーダーが規制の適用やガイドラインについて協議したり、患者団体の代表がEMEAの理事会に参加したりしているという。
一方、日本での状況を紹介した日本対がん協会相談支援室の大松尚子氏は、日本の患者会は欧州のような段階にまで発展していないと指摘。「日本は患者会を継続していくことだけで精一杯」とし、リーダーシップを取れるような人材の不足、活動資金の不足、活動内容のマンネリ化、さらにはそれらの要因による新規会員の減少などが課題となっていると説明した。
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