2003年7月におそるおそる動き出した(?)医師主導治験だが,人,金,インフラすべてないないづくし,お決まりといえばその通りの惨憺たる状態なのだが,いままでにやっていなかったことをやろうというのだから,当然だろうと,私は開き直っている.
それにしても,何か新しいことを始める時は,核になるものを作ってそこから手足を伸ばしていくのが本道なのだが,その核がまだよく見えてこない.少なくとも,役所は及び腰である.
厚労省としては,これまで,癌や循環器の臨床研究を細々と引っ張ってきたナショナルセンター(国立がんセンターや循環器病センター:他にもセンターはあるんだけど,ここに挙げないからって起こらないでね)に臨床研究センターを作りたいところだったのだろうが,何しろこのご時世だから,ポストを増やすわけにはいかない.また,日本の臨床研究をまともなものにしようという,壮大な計画があるようでもない.ただ,治験がもう少しまともになればいい位のことしか考えていないようだ.文部科学省に積極的に呼びかけようともしていない.文部科学省の方も,大学の独立行政法人化を控えて,積極的に動こうとはしていない.
だから日本医師会に丸投げしちゃったんだろうけど,丸投げされた方も,お金だけもらってもどうしようもない.何しろ,人材がいないんだから.8億円,どうなるんでしょうね.どうせドブに捨てるんだったら,私をヘッドハントしてくれないかな.
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[日経バイオテクオンライン 2003/11/19]
BIGT、BAI、英国のバイオ振興策まとめる、臨床試験実施体制強化や金融などに言及
英国有識者が立ち上げたBioscience Innovation and Growth Team(BIGT)と英国バイ
オインダストリー協会(BIA)が共同で、英国のバイオ振興策をまとめた。序文には、英国首
相のTony Blair氏がコメントを寄せており、国としてもバックアップしていくことを言及して
いる。
これは、BIGTとBIAがまとめたレポートで、11月17日に公開されたものだ。新薬の承認や
普及を加速させるために国立の臨床試験に関する担当部門の設立を求めたことや規制の改変、
バイオ企業設立を加速させるためのガイドライン策定、金融、バイオ医薬品製造体制に関して
提言を盛り込んでいる。
今回のバイオテクノロジーに関する提言で最も重要な位置づけとしているのが、臨床試験や
臨床研究をサポートする「National Clinical Trials Agency」(NCTA)を設立することを
求めていることだ。英国保健省(Department of Health)所管の国民保健サービス(NHS)
内にNCTAを設立することを指摘している。英国では、すべての国民が登録されている医療制
度で、そのため、より効率的な臨床試験が可能だと指摘している。
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