NEJMの論文に見る気兼ね

下記の論文が業界ニュースで取り上げられていたので、早速論文を読みに行きました。気になったのは試験デザイン・検証仮説です。端的に言えば、クレストールがリピトールに勝ちに行ったのかどうかを確認したかったのですが(両群n=500ずつの2群間比較だから非劣性ではないことぐらいは私でも推測はつきましたが)、それがウェブ掲載の本文には、はっきり書いてない。どこを見ても「比較する」という表現だけ。

そうしてin collaboration with the sponsor (AstraZeneca Pharmaceuticals)という文句を見て、リピトールに勝ちに行ったのだけれども、勝てなかったので、本文には故意にぼかして書いてあるのだろうと、ようやく結論できました。

The statistical-analysis plan is available, along with the protocol, at NEJM.org.
と書いてはあるのですが、NEJMなんて商業誌の中を、こちとらそんなに丹念に捜す暇なんかありゃしない。そもそも最重要の検証仮説を明示していないなんて・・・・そこまでスポンサーに気兼ねするかね。だって結果は一目瞭然なのに。だから、この雑誌は読む気がしなくなる。

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リピトールの冠動脈硬化治療効果はクレストールに劣らない Biotoday 2011-11-16
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冠疾患患者およそ1000人が参加した2つのスタチン・Lipitor(リピトール;アトルバスタチン、atorvastatin)とCRESTOR
(クレストール;rosuvastatin、ロスバスタチン)の直接比較試験の結果、クレストールの方がLDLコレステロールはより低下し、HDLコレステロールはより上昇しましたが、両剤の冠動脈硬化退縮効果に有意差はありませんでした。具体的には、プライマリーエンドポイントであるアテローム容積率(percent atheroma volume: PAV)低下率は両群で有意差ありませんでした(リピトールでは0.99%低下、クレストールでは1.22%低下、P=0.17)。

Effect of Two Intensive Statin Regimens on Progression of Coronary Disease. November 15, 2011 (10.1056/NEJMoa1110874)

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