優良教材
下記の二つの記事とその比較は,メディアリテラシー・医薬品リテラシーの育成,EBMの実践的な教育に極めてな有用な教材になると思われる.PMDAで毎日行われているのも,こういった教育・学習である.実際にはもっと複雑な事例ではあるが,on the job trainingであるだけに,当事者意識を持って効率よく行われている.
追伸:この教材のキーワードはsignificantosis
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エレンベセスタット、脳内Aβが有意に減少 エーザイとバイオジェンがP2試験結果 日刊薬業 2018年6月6日
エーザイと米バイオジェンは5日、グローバルで共同開発しているアルツハイマー病(AD)治療剤エレンベセスタット(一般名、開発コード=E2609)について、米国で実施した臨床第2相(P2)試験(202試験)の18カ月トップラインデータで、アミロイドPETによる脳内アミロイドベータ(Aβ)レベルが統計学的有意に減少したと発表した。
有効性の指標となる臨床症状評価スケールについては統計学的有意な減少は見られなかったが、数値的な悪化の抑制傾向は確認できたという。 202試験では、アミロイドPETでAβの脳内蓄積が確認されたADに伴う軽度認知障害と、軽度から中等度のAD患者(70人)を対象に、18カ月の投与による安全性や忍容性、有効性をプラセボ対照で比較した。患者を実薬(5mg投与、15mg投与、50mg投与)と、プラセボ群の計4群に分けて検討。実薬の5mgおよび15mgの2つの投与群については、投与開始後に至適用量と考えられる50mg群に移行、3カ月以上の投与を行った。 有害事象では接触性皮膚炎、上気道感染、頭痛、下痢、転倒、皮膚炎などの頻度が高かったが、肝毒性につながる副作用の報告はなかった。 試験結果の詳細については今後、学会などでの発表を行うとしているが、経時的アミロイドPETによる評価が可能だった全50mg投与群(35人)では、プラセボ投与群と比べて脳内Aβレベルが有意な減少を示した。
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Biogen/Eisai BACE阻害剤のPh2でアルツハイマー病症状への有意効果示せず BioTodayニュースレター 2018年6月7日
Biogen/Eisai(エーザイ)の経口BACE阻害剤elenbecestat(E2609)のプラセボ対照Ph2試験(Study 202)でアルツハイマー病患者脳Aβ量低下は示されたものの、臨床症状悪化の有意な抑制効果は認められませんでした。同剤はエーザイが見つけ、Biogenと共同開発されています。現在2つの第3相試験(MISSION AD1/2)が進行中です。
Phase II Clinical Study Of Elenbecestat Demonstrates Safety And Tolerability In MCI And Mild To Moderate Alzheimer's Disease At 18-Months
Eisai and Biogen’s BACE drug lowers amyloid levels, but not Alzheimer’s symptoms
Biogen, Eisai BACE drug cuts amyloid beta in the brain, but there’s no hard data to show it does anything important for cognition
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