英語で「言い掛かり」とは?
検察や裁判所から言い掛かりをつけられている身には,”言い掛かり”が海外ではどう表現されるのかは非常に興味あるところです.ところが,英語に限っても,ネット検索した範囲では一語でしっくり来るものがありません.false accusationのような表現には,日本語の「言い掛かり」の背景にある,喧嘩を売る(pick a fight )の「迫力」がありません.→参考サイト
そんな時,たまたま目にした新聞記事に”「米高官が言いがかり」 北朝鮮外務省が米批判談話”とあったので,早速,元記事を探してみたところ,ちょっと手間取りましたが,ロイターの記事.North Korea chides U.S. for pressing sanctionsの中にある,
“making baseless allegations against us and making desperate attempts at intensifying the international sanctions and pressure.”が「我々に言いがかりをつけ、制裁・圧力に狂奔している」に相当するので,言い掛かり=baseless allegationsであることがわかりました.
baseless allegationsが外交交渉でどの程度の強さの表現になるのかは寡聞にして知りません.しかし,「根拠に欠ける主張」と表現すれば済むものを,敢えて「言い掛かり」と訳した背景には,「北朝鮮外務省」という名称に対するバイアスがあることは否定できないでしょう.記事のタイトルにある「chide」が「たしなめる,おだやかに叱る」という意味であることも,そのようなバイアスの存在を示唆しています.
参考:2015-18年の三年間に私が経験した矯正医療への言い掛かり国賠訴訟事例
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