費用対効果の議論の標的

「話題の新薬」なんかより,こっちの方がもっと面白いし,費用対効果の議論の費用兼時間対効果も大きい.
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【中医協】国主導で「フォーミュラリー」推進を 健保連が主張、「同等」なら安価な薬剤を ARBがやり玉に 日刊薬業 2017年11月2日
 1日の中医協総会で、幸野庄司委員(健保連理事)は医薬品の選択順位を病院ごとに定める「フォーミュラリー」を国主導で推進すべきと指摘した。同等の有効性や安全性が確認されたのなら、最も安価な医薬品を使うべきとの考え。幸野委員は降圧薬のARBを取り上げ、高血圧の診療ガイドラインに費用対効果のエビデンスを反映させるよう、国に指導を求めた。
 幸野委員は、レセプトデータを基に降圧薬の処方動向を分析した健保連の調査結果を説明した。分析対象期間は2014年10月~16年9月の診療分。分析対象施設は6万4000施設。分析対象レセプトの中から、傷病名に「高血圧症」しか記載されておらず、かつ1分類の降圧薬だけが処方されたレセプトを抜き出した。
 その結果、レセプト件数ベースで見ると、最も多く処方されているのはCa拮抗薬で、全体の57.0%を占めていた。次いで多いのがARBで37.9%を占めた。ACE阻害剤は1.7%、サイアザイド系利尿薬は0.5%、その他は2.9%だった。

 これを金額ベースで見ると、トップシェアはARBで63.1%を占めた。Ca拮抗薬は33.5%、ACE阻害剤は1.1%、サイアザイド系利尿薬は0.1%、その他は2.2%だった。ARBは降圧薬の中では薬価が高いため、処方が増えれば薬剤費も膨らむ。
 幸野委員は、ARBとCa拮抗薬を単独投与群同士で比較しても、入院発生率に有意な相関関係は見られなかったと説明。さらにARBをCa拮抗薬に置き換えると、全国で削減される薬剤費は最大で年間830億円に上るとの推計結果も示した。その上で「第1選択薬をどうするか日本高血圧学会が示してほしい。国からも指導してほしい」と求めた。

●今村委員、「学会自ら」が望ましい
 松本純一委員(日本医師会常任理事)は「ARBを使うから医療費が高いというのはその通りだが、なぜARBを使うのかも考えてほしい。第1選択薬にARBを使ってはいけないというのは、できないことだ。患者のためを考えて処方している現実も考慮してほしい」と述べた。
 今村聡委員(日本医師会副会長)は「現場の医師の裁量で降圧薬を選択していることを理解してほしい。ガイドラインが費用について触れていないというのはその通り。一定程度、作られるのは望ましいことだ。だが、国が学会に対して強制するのではなく、学会自ら取り組むのが望ましい」と述べた。
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