医療経済評価
政策への応用なんて、夢のまた夢

医療経済評価の政策への応用についての講演会に出席しました。フロアで各講演をききながら、やっぱり誰も本気じゃないのかなと感じたのは、居眠りしながら聴いていたので、随分と誤解が生じたからでしょうか。以下、半分眠りながら書いたメモですので、各講演の趣旨とは大分違っているかもしれません。

○医療経済評価の政策への応用が実現して本当に喜ぶのは財務省の役人だけ。

○今、医療経済評価のことを話題にしている人達は、論文・研究費ネタでなければ、単に流行を追っているだけ。誰も、本気で政策への応用を考えているわけではない。誰も火中の栗を拾うような真似はしたくない。

○新薬創出加算なんて、日本版NICEと全く逆の施策によって、国民の皆様や患者団体に迎合しているような当局も本気で取り組む気はない。

○国民の皆様はもちろん、企業だって黙っちゃいない。

○そもそも、医療経済評価の政策への応用のアウトカムはどうなのか?NICEが医療費抑制に貢献したというエビデンスはどこにあるのだろうか?後発品利用促進が医療費抑制に貢献したというエビデンスがないのと同じように、NICEが医療費抑制に貢献したというエビデンスもないのではないだろうか?

○そもそも人材がいない。調査会→審査センター→PMDAというような具体的なスキームを誰も提示してない。これも本気でない証拠

○(上記と関連して)やるとすれば国だと言うが、そんな無責任なことしか言えないのも本気でない証拠。非常勤とか委嘱とかでできる仕事じゃないから、専従の常勤スタッフでないと駄目。しかし公務員は増やせない。だとすると独立行政法人を新たに作る?そういうスキーム提示もできない。

○日本版NICEを作るとすれば、バイパスというか、逃げ道もいくつか用意しておかねばならない。そのうちの重要なものの一つが混合診療だが、現行の高度医療のスキームで対応しきれるのか?それが無理なら、混合診療の議論もしておかなくてはならないだろう。なのに、混合診療の議論もする気がないとなれば、やっぱり日本版NICEなんて誰も本気で考えていないのだろう。

医療経済評価の政策への応用なんて、夢のまた夢 というか、誰も夢さえ見ていない、真摯な研究者が見ているのは、研究費や論文といった現実の御利益そのものでしょう。

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