法曹三者peer review

できる弁護士は医療事故は扱わない
僕はマーケッターですから、市場が有望でなくなったら、次の市場へ移ります。注目はやはり医療。弁護士業界はしょせん5000-6000億円市場ですけど、医療は年間70兆円市場ですからね。それで北里大学の医学部に通っているんですよ。純粋に医者になります。アディーレとのシナジー?ないですよ(笑)。医療過誤の事件を取っていこうとか、思っていません。(石丸幸人。アディーレ法律事務所代表弁護士 週刊ダイヤモンド 2017年2月25日号 特集 弁護士・裁判官・検察官 より)

裁判をしない裁判官が出世する
幹部候補生は判事補時代から司法官僚として純粋培養され、裁判に係わる機会が少ない。裁判をしない裁判官が、現場の全裁判官を支配するいびつな構造が生まれている(西川伸一 明治大学政治経済学部教授 週刊ダイヤモンド 2017年2月25日号 特集 弁護士・裁判官・検察官 より)

特捜なんか要らない
検察は起訴と公判維持に特化するべきで、特捜を持っていること自体が間違い。かつて検察は『巨悪は眠らせない』と自慢したが、警察は巨悪も小悪もやる。事件は警察に任せてもらい、特捜は早晩廃止すべきだ(警察庁の元キャリア官僚  週刊ダイヤモンド 2017年2月25日号 特集 弁護士・裁判官・検察官 より)

刑事裁判官も要らない
99.9%という異常に高い有罪率の下、裁判官が検察官の取り調べに依存する構図があった(*)。そうなれば検察組織で独善的に決めたことが全て正義となる。結果として捜査や公判立証などの能力の劣化につながった(郷原信郎  週刊ダイヤモンド 2017年2月25日号 特集 弁護士・裁判官・検察官 より) 

*依存する(というより、長いものには巻かれておこうろ思う)のも無理はないと思うんですけど・・・
ある有名な裁判官が書かれた著書の中にも、検察庁の友人から、「気楽に検事の言うことを否定しても、無駄だよ。判決は、たかだか3人で書いているだけだろう。俺たちは組織を挙げて考えている。勝てると思うな」と言われたことを、非常に怒って書いている。検察の組織防衛の思いとか、裁判所にも脅しをかけている事実を聞くと、すごい世界だと思いますよ。( 大野病院事件スペシャル対談◆加藤医師 vs.安福弁護士「東京地検公判部東京高裁出張所」◆Vol.13 裁判所と検察の関係に潜む恐ろしさ より)

証拠より論:裁判官を騙してナンボの検察官
 一審の無罪判決直後に、親しいある検察官から夜に電話がかかってきて、「事件の記録は、俺もよく見た。確かに証拠から言って無罪だ」と言われた。けれども、その次のセリフがすごかった。「でも、これは筋から言って有罪。高裁でひっくり返してやる」と言われた。「なんですか」と。「証拠は無罪って、言ったじゃないですか。筋って、何ですか」と僕は怒ってしまった。でも実際、本当にひっくり返された。( 大野病院事件スペシャル対談◆加藤医師 vs.安福弁護士「東京地検公判部東京高裁出張所」◆Vol.13 裁判所と検察の関係に潜む恐ろしさ より)

今なお引きずるブルーパージ後遺症
(佐藤栄作が第五代最高裁長官として指名したのが、リベラル派の田中二郎ではなく、長官就任後ブルーパージを主導した石田和外だったことを踏まえて)「石田人事の後遺症は今も強く尾を引いている。最高裁は石田人事以降、内部統制を強め権力に弱腰になっている。そういう意味で日本の最高裁は基本的に権力補完機構に過ぎない」(瀬木比路志   週刊ダイヤモンド 2017年2月25日号 特集 弁護士・裁判官・検察官 より)

一般市民としての医師と法