ガイドラインへの疑問
日本消化器病学会(1898年設立。会員数 36,181名。2022年12月末日時点)が作成した「慢性便秘症診療ガイドライン2017」が改訂されずに、新たに日本消化管学会(2004年設立。会員数 5071名。2022/7/7現在)が独自に「便通異常症診療ガイドライン」を発行した。
単に屋上屋を重ねるような話ではない。明治31年。日露戦争よりも前に設立されてから125年を迎えた伝統ある学会を差し置いて、設立されてから20年にも満たず会員数も1/7という新参学会が、慢性便秘だけでなく他の便通異常も含めたガイドラインを出すという。単に屋上屋を重ねるという愚に留まらない。非常に奇妙な話である。
この事件の背景には一体どんな事情があったのだろうか?純粋に学術的な事情とは到底思えない。消化管学会が日本医学会の分科会にもなっていないことからも懸念が生じる。なぜならば、関係学会はそのあたりの事情を最低限各学会の利益相反とともに開示すべきだろう。そうでなければガイドラインの信頼性が揺らぐことになる。
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