PMDAを吟味する

就職の際の試験、面接から始まって人事評価、人材育成と、組織から組織構成員に対する評価の過程と結果は、多くの人に対して可視化が可能ですが、個人の組織に対する評価は、その過程も結果も、個人の秘密に留まります。個人の自由だし、組織の方針に合わない人がある程度の割合で離職していくのは仕方がないと考える向きもあるでしょう。しかし、個人の組織に対する評価の結果が、立ち去り型サボタージュの続発となれば、誰にとっても不幸でしょう。

個人の頭の中には介入できませんが、緩い診療ガイドラインのように、個人の組織に対する評価の材料や指針、事例を示すことはできます。それをもとに、各人が自分に合ったやり方で評価プロトコールを決めていけば、少なくとも、個人にとっては、プロトコールの不備を取り繕うために行う後付解析が生む誤り、つまり不幸な思いや後悔のリスクが低減できるのではないかと思って、下記に個々の職員によるPMDA評価プロトコール作成の大まかな方針を例示します。

言われてみれば、当たり前じゃないかとみなさん思われるでしょうが、”当たり前じゃないか”というのは、提案に対する最も肯定的な評価で、誠にありがたく存じます。その当たり前のことがみなさんの頭の中で意識して行われていますか?また、転職先や家族に、その当たり前の評価プロトコールと評価結果が説明できますか?

個々の職員によるPMDA評価プロトコール作成の原則
○複数の人に共通の最良のプロトコールは存在しない。
○他人に決めてもらうことはできない。あくまで自分で決める。他人のものを流用すると、必ず失敗する。(その失敗に気づかない場合、プロトコールを作成してもらった人に対して筋違いの恨みが生じる)
○就職する前から離職した後まで、プロトコールの見直しも、評価そのものも、継続して行われる。
○評価項目例を下記に示すが、これらのうち主要評価項目を一つにしぼって、後は副次にするか、あるいは、複合エンドポイントにするか。複合エンドポイントにするにしても何と何を組み合わせるのかも、自分で決める。

評価項目例(もちろんこれ以外にも、みなさんお持ちでしょう)

自分のやりたいことができる(本業そのもので・余暇時間で)
自分のやりたくないことをやらずに済む
他人から評価される(部下、同僚、上司、家族)
職場での人間関係づくり
国民の命を守る仕事という誇り
教育&ノウハウ取得
給料
残業
休暇取得
社宅
年金・退職金
通勤
東京の中心・日本の中心地にオフィスを構えるステータス

さて、PMDAの外にいるみなさんは、自分の所属組織を吟味するにあたって、どんな評価プロトコールを立てるのでしょうか?

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