後発品の時代へ(2008/7/4)

第一三共、インド製薬最大手の買収を発表 最大5000億円で(日本経済新聞 2008/6/12)

第一三共は11日、インド最大の製薬会社、ランバクシー・ラボラトリーズを買収すると発表した。最大で5000億円を投じ、TOB(株式公開買い付け)などで50.1%以上の株式を取得する。世界で後発医薬品(ジェネリック医薬品)を展開するランバクシーを傘下に収め、ロシアなど35カ国に進出する。低価格を武器に二ケタ成長する後発薬7兆円市場の争奪戦に乗り出す。

 【ニューデリー=小谷洋司】第一三共はランバクシーの創業家、シン一族から発行済み株式の約3割に相当する約1億2900万株を買い取ることで合意した。今後、ランバクシーの第三者割当増資を引き受けるほか、TOBを実施して来春までに過半の株取得を目指す。第一三共は現在、後発薬を手がけておらず、ランバクシー買収で同事業に本格参入する。

「早くもここまで来たか」という感じ。

○新薬メーカーが創薬ベンチャーではなく、後発品企業を買収した←新薬開発に未練がない←パイプラインの枯渇&新薬開発のリスクの高さに希望を失った

○買収にあたっては日本の後発品企業など眼中にない←後発品も国際競争時代。日本での後発品商売に未来はないから興味もない.

○ランバクシーの創業家であるシン一族がランバクシーを「今が売り時」と判断した←国際ゾロ市場での商売よりも、メディカルツーリズムのような、もっとおいしいビジネスに目を向けている。シン一族は、たとえば、メディカルツーリズムで有名なフォーテイスも経営している。

日本人の感覚なら、雇われ社長ならともかく、創業家なら買収阻止に必死になるはずなんだが、あっさり売り渡しちゃったってことは、未練がないってことだろう。

世界の流れがそっちへ向かっている中で,やれ治験活性化だ創薬ベンチャーだと10年以上前のスローガンをいまだに使い回すってのは,お世辞にも,「最新医学」とは言えないよね.

追記(2008/9/24):後発医薬品、世界最大手が日本市場に本格参入[2008年9月23日/日本経済新聞 朝刊]

 特許切れ成分を使った後発医薬品で世界最大手のテバ・ファーマスーティカル・インダストリーズ(イスラエル)が日本市場に本格参入する。近く中堅製薬会社の興和と開発・販売の合弁会社を設立する。新薬に比べ価格の安い後発薬は医療費削減の流れを受けて4、5年後に国内で1兆円超の市場規模となる見通し。豊富な品種を持つテバの参入で需要増に弾みがつきそうだ。成長市場を巡り、国内の製薬再編が加速する可能性もある。

 テバと興和は合弁会社の出資比率や幹部人事などで最終調整を進めており、月内に合意する見通し。早ければ2010年にもテバの製品を日本で販売するとみられる。

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