風説の流布

アサコールは、すでに再審査も終了しているペンタサ(一般名メサラジン 5-アミノサリチル酸:5-ASA。承認は1996年!)と同じ古典的な(!)炎症性腸疾患治療薬である。多少の製剤工夫(pH依存性溶出)と、ペンタサ対象に用量を多くして優越性を示してはいるが、ペンタサの高用量も追加承認されているので、内容的には有効性も安全性も同じである。別に画期的新薬でもなんでもないし、ドラッグラグなんてどこの世界の話だ?ってことになる。

つまり、彼の話には全く根拠がない。根拠のない話を風説と呼ぶ。風説を垂れ流すことを、「風説の流布」という。金融商品取引法第158条にそう書いてある。東京地検特捜部にわざわざ(痛くもない?でもやっぱり痛い?)腹を探られるような発言は控えるというのが、一般市民の常識なのだが、お国のために身を賭すようなお方の覚悟はまた格別なものなのだろう。(それにしては腹痛でリタイヤというのも解せないが)

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ゼリア  27日株価「戻り高値」を更新、「安倍関連銘柄」で (日刊薬業 2012/9/28)
 ゼリア新薬工業の株価が27日、戻り高値(下落していた株価が上昇に転じた後につけた高値)を更新した。7月10日につけた直近の戻り高値の1420円を上回る1422円をつけた。自民党総裁選で勝利した安倍晋三元首相が服用した薬剤として、スポーツ紙など複数の媒体が同社の潰瘍性大腸炎治療剤「アサコール」を取り上げたことなどから、「安倍関連銘柄」として買われているようだ。同社の株価は、安倍新総裁が誕生した26日に終値で前日比4円高の1404円、翌27日も買い優勢で前日比13円高の1417円となった。
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【安倍自民党総裁発言抜粋】
私は潰瘍性大腸炎という難病を持病として持っておりました。2年前にアサコールという画期的新薬が開発をされて、これで今、心身ともに本当に健康な状況になっています。実は、日本では承認がずいぶん遅れたんですが。ですから、日本にドラッグ・ラグがあるなと思って、経験しました。その意味でも、これから政治の場において改善をしていきたいと思っています。
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