FDA真理教

その分野での「斯界の権威」に対する批判的吟味力。それがリテラシーの定義である(と言っているのは私だけである)。この場合、斯界の権威とは、組織であって個人であってはならない。なぜなら、個人の攻撃にはいくらでもバイアスが入るから。たとえば、私が攻撃するのは、脈の取り方一つ知らずに彼等に嘘八百を並べさせた検察という組織である。決して私をやぶ医者呼ばわりする公文書を著した加藤 裕、金沢和憲、荒木百合子の3人の検察官個人的に攻撃しているわけであはない(←してるって)。

検察だけではない。警察、裁判,大規模試験,NEJM,ランセットと言った言葉は,その後に「真理教」という言葉をつけることによって,自分が様々な「権威」に対して思考停止に陥り白紙委任状を自動発券してしまうことがわかる.FDAもそのような言葉の一つである。そうなると、FDAが指示して企業にやらせたメガ大規模試験の結果がNEJMに載れば、三重真理教となり、どんなイカサマ論文であろうと、日本中がこぞって大絶賛して、通常の薬価引き下げを受けた後に「真の有用性加算」を受けることで、改定後の薬価が1%強上昇するような魔法まで使えるようになる。

しかし、イカサマ論文とハサミは使いようである。EMPA-REG OUTCOME試験とやらは,我々をFDA真理教から解放されるための絶好の教材を提供してくれる.「真の有用性加算」の対象になったのが、10mgと25mgの2規格の両方である。ではこの両方の有効性がそれぞれ証明されたのかと思って、論文の抄録を読むと、そんなことは一言も書いてない。ただ、この二つの企画の結果を「統合解析」した結果、辛うじてプラセボに対して有効性が証明されたと書いてあるだけだ。誰もが「臭い」と思うはずだ。そう考えれば、EMPA-REG OUTCOME試験とやらのイカサマを見抜き、FDA真理教から離脱するのは決して難しいことではない。

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