診断にこそHTAを?

単位人口当たりのMRI台数がダントツの国でこそ,診断モダリティのHTA(Health Technology Assessment)・医療経済評価が必要ではないのか?,費用対効果の議論は治療法よりも診断の方がしやすいはずだ.私が財務省の役人なら,HTAをやらせるためには,まず診断モダリティから入るんだが・・・(図はOECD Health Data 2011より)

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自治医大・間野教授 ザーコリ「特効薬ではない」Risfax 2012/4/4
 自治医科大学の間野博行教授は3日、ファイザーが開いたセミナーで肺がん治療薬「ザーコリカプセル」(一般名=クリゾチニブ)による治療について語った。肺がん患者の4%でみられるALK融合遺伝子陽性患者のみ使用が認められている。対象患者は少ないが、ALK遺伝子陽性であれば「夢のように効く。だが、肺がん全体の『特効薬』ではない」ことを繰り返し強調。承認前、患者や臨床医の期待が大きかった反面、上市後の副作用問題で揺れた「イレッサ」の例などを踏まえ、注意喚起した。また、投与患者特定には遺伝子検査が必要で「診断の重要性が高まってくる」とした。
 国内の肺がんの患者数は推定13万人で、4%に当たる約3600人がザーコリカプセルのターゲットとするALK遺伝子陽性患者と見られる。患者特定による医療費効率化や副作用回避などを目的とした肺がんの個別化医療の一翼を、ザーコリカプセルが担うことになるが、肺がん患者13万人すべてに、ALK遺伝子陽性の検査を行うのはやはり非効率的。どのような患者にどのタイミングで遺伝子検査を実施して診断するのか、今後の重要課題に上がる。(後略)
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米の9学会「その検査,本当に必要?」45の項目を公表
MTpro 2012/4/5
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1204/1204018.html
米国内科専門医認定機構財団がキャンペーン
 4月4日,米国の9つの医学会が「広く行われているが,その検査や治療が本当に必要かどうか問い直すべきトップ5リスト」を同時に発表した。合計45項目のリストは,米国内科専門医認定機構財団(ABIM
Foundation,以下ABIM)が運営するキャンペーン公式サイト“ChoosingWisely”で見ることができる。ABIMは,医師と患者双方に対し,「賢明な判断を行う」ための参考にしてほしいとしている。(中略)
 米国の消費者レポートによると,2010年には心疾患の症状や危険因子のない健康な40-60歳の男女1,200人の約44%が,リスクを上回るベネフィットのない心疾患スクリーニングを受けていたとの報告もあるという。
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