マッドサイエンティストの冒険
−東京裁判2020のあり方について−
Wenn man eine grosse
Lüge erzählt und sie oft genug wiederholt, dann werden die Leute sie am
Ende glauben. (If you tell a big lie and repeat it enough times, people
will believe the lie in the end. ) Joseph Göbbels, Propagandaminister
der Nazis (『ゲッベルスは「嘘も100回言えば本当になる」と言った』というのは嘘 より)
真の科学者の使命は市民に希望を与えることである。進退窮まった市民に対し「お前達は絶望せよ」というメッセージしか出せない人物は、冒険者として名を残すことはあっても、決して科学者と呼ばれることはない。
科学者とマッドサイエンティストとの違い
地震、津波、風水害、我が国を繰り返し襲う大災害に対して、科学者は社会的責任を果たすべく,必ず対策を提案し、行政はその助言に従って計画・立案し実行する。一方日本列島を沈没させる大地震・大津波が来る、富士山が噴火して首都圏が全滅する等と空想科学物語を披露しながら、何の対策も示さなかった場合には、通常、科学者ではなく予言者と呼ばれる。ただし、それはあくまで市民側に余裕がある段階に限る.進退窮まった市民に対し「お前達は絶望せよ」というメッセージしか出せない予言者は、その待遇を剥奪され、マッドサイエンティストとして断罪される。
狼老年達に耐えてきた市民::自殺者数が増えなかった理由
「あと2週間の辛抱だ」,「あと3週間の我慢だ」,そんな「予言」を,何度聞いたことだろうか.しかし,それはみんな嘘だったことが,2020年4月7日にわかった.それでも緊急事態宣言とやらが出た時は,「ゴールデンウィークの間もおとなしくしていれば,まっとうな生活というご褒美が待っている」と,市民は無邪気に信じていた.しかし,それから10日も経たないうちに,今度は「たとえ5月6日まで,耐え難きを耐え,忍び難きを忍んでも,その後に,今度は第2波、第3波が来る、最悪の場合85万人が感染し42万人が死ぬ」と,「青年将校」が発表した.市民は,そんな「民衆の敵No.1」に対し,耐え難いルサンチマンを抱えながらも,その耐え難きを耐えた.何故ならば,マッドサイエンティストの予言に我が意を得たりとばかりに,自粛警察という名のゲシュタポボランティア活動が横行していたからだった.
もし市民が彼を本当の科学者と考えていたら、ライブハウス、バーの経営者はさらに長期的な視点で経営の継続性について決断を迫られ絶望していただろう。教育を受ける機会の逸失だけでなく卒業すら危うくなる学生は、就学の継続そのものを考えて絶望していただろう。地上勤務を含めた航空会社の社員は再就職先の選択肢がないことに絶望していただろう。しかし実際には彼らは辛うじて踏みとどまった.その結果多くの人が抱いた懸念とは逆に、警察庁発表の自殺者数も、3月の1704人から4月は1455人と減っていた。ところがそこまでだった。やはり一番の弱者から自殺が増えた。詳細は→自殺者が急増してからでは遅い
→自殺:20年10月は更に状況が悪化:増加の8割は女性。総数に占める女性の割合も史上最悪
厭戦気分から怒り,そして東京裁判2020へ
戦いが長引けば厭戦気分が高まる.これは古今東西の原理である.ましてや「コロナとの戦い」が例外であろうはずがない.そこで第一の問題は「コロナとの戦い」における厭戦気分はどんな形で誰に生じるかである.「自分の命と引き替えに,こんな馬鹿げた真似,やってられるか!!」という気持ちになるのは,当然「自分の命と引き替えに」「こんな馬鹿げたこと」をやらされている市民である.次の問題は,厭戦気分が蔓延した後,市民はどのような行動に出るかである.「コロナとの戦い」に絶望して自らの命を絶つだろうか?決してそんなことはない.命との引き替えならば、何を怖がる必要があろう。事実,前述のように,コロナとの戦いの真っ最中だった4月でも自殺者は増えていない.彼らは生きてきた。耐え難いルサンチマンを抱えながらも。そうして時が過ぎた.マッドサイエンティストが大好きな感染者発生数(全国)が4月15日の478名から、その1/16の30名までに激減した5月22日のことである。
倉「ありがとうございました。大先生の恫喝大予言と自粛警察という名のゲシュタポ・ボランティア活動のおかげで、ここまで感染者数が減りました。もうお祭り騒ぎも、予言者様待遇もおしまいです。とっとと出て行きやがれどうぞお引き取りください」
西「いや、まだまだです。第2波、第3波が来るから油断してはいけません。今度はもっと酷くなります。何もしなければ42万人が死にます。中国並みの本格的なロックダウンも覚悟してください.そうしないと日本が滅亡します」
倉「ほーっ、面白いこと言うじゃねえか。じゃあ、訊くがな、一体、その、第2波、第3波ってえのはいつ、どこから来るんだよ?そして地球全体でまだ34万人(注:2020年5月22日現在)しか死んでねえのに、日本だけで、どうやって42万人が死ぬんだよ?!そんときゃ、他の国はどうなってんだよ?!」
西「それは、意思決定を優先するので後日」
倉「ざけんじゃねえ、この野郎。大学教授先生様が小学校の算数もできねえとは言わせねえぞ。たとえば米帝(注:王様じゃなくて大統領なんだけど・・「主義」だからいいのかな?)だ。昨日の時点での死者数が96534。対する日本は796で、アメリカが日本の120倍だ。42万人の120倍は5040万人だ。これはスペイン風邪の全世界での死者数に相当する。人口3億3000万のアメリカで5000万人が死ぬならば人口14億の中国では、2億人以上が死ぬ。算数として、間違ってねえよな?教授先生様よ」
西「それは、意思決定を優先するので後日」
倉「ほうーっ、どうしてもしらばっくれるつもりかよ。上等じゃねえか。俺たちが耐え難きを耐えている間、先生はたんまり稼いだんだろう。それとも何か?俺たちに首をくくれって命令するつもりか?おとなしくしてりゃいい気になりや
がって,いい加減にしろ!!このマッドサイエンティストが。てめーはコロナでほくほくだろうが,俺たちゃ商売上がったりだ.自分の首をくく
る前に、てめーを東京裁判2020に引きずり出して吊してやるから,猪みてえなその首を洗って待ってろ!!」
キーワード: 新型コロナウイルス感染症 COVID-19,自殺者数,マッド・サイエンティスト mad scientist,民衆の敵 No.1 Public Enemy No. 1,理論疫学 Theoretical epidemiology(Sunetra Gupta on Being Wrong)
→自殺:20年10月は更に状況が悪化:増加の8割は女性。総数に占める女性の割合も史上最悪
→緊急事態宣言下での弱者への配慮を−自殺者が急増してからでは遅い−
→科学が示す「コロナ長期化」という確実な将来 東洋経済オンライン 2020/04/22 :マッドサイエンティストの大法螺予言の解説。
→倉山満 西浦よ、国民で動物実験するなら覚悟しろ!
→池田信夫 「新型コロナで42万人死ぬ」という西浦モデルは本当か 架空シミュレーションで国民を脅す「青年将校」
→コロナのデマに飽きた人へ
→表紙へ